リトープスの育て方・栽培のコツ【初心者でも上手に育てられる方法を紹介】

生きた宝石とも言われる植物リトープス。
小さく不思議な形をしていますがとてもかわいい花を咲かせ、鑑賞用やマニアに大変人気がある植物です。
石のように見える品種や美しい宝石のようなものもあり、希少価値のある品種では高価なものも。

水やりのタイミングや夏場の断水など、上手に育てられるコツを紹介します。

リトープスの基本情報

学名Lithos
英名Lithos
その他別名メセン
科名ハマミズナ科
属名リトープス科
原産地南アフリカ・ナミビア

リトープスの特徴

多肉植物の仲間で「メセン」とも呼ばれている少し珍しい植物です。
透き通っている上面はなんと光合成をするために光を取り込む天窓になっています。

年に1回、古い葉がしおれると中から新しい葉が出てくる『脱皮」をします。
小石のようにも見えるのは、南アフリカが原産であることから動物の食害を避けるために擬態していると言われています。
葉と茎が一体化している不思議な形をしていますが、とてもかわいい花を咲かせるのも特徴です。

リトープスの種類

変わった日本名でたくさんの品種がありますが、主な原種を紹介します。

日輪玉(にちりんぎょく)

7cm程になる大型の品種で丸みがあり、褐色の地色に濃褐色の網目模様が入っています。
黄色い花を咲かせます。

紅大内玉(べにおおうちぎょく)

濃いピンク色の上面が赤紫色の美しい品種で人気がありますが栽培は難しい弱い品種です。
白い花を咲かせます。

寿麗玉(じゅれいぎょく)

淡茶色の地色にこげ茶色の網目模様が2枚の葉の内側にも入っています。
白い花を咲かせます。

大津絵(おおつえ)

灰緑色の地色に濃い緑色の網目模様が入っています。
黄色い花を咲かせます。

オリーブ玉

大津絵に似た品種で、全体的に明るい緑色をしています。
黄色い花を咲かせます。

リトープスの栽培・育て方

夏場に休眠期のある植物で、断水が必要な時期があります。
冬場に成長しますが、厳寒期には防寒対策や室内に入れる等が必要なので直植えは避けて鉢植えなどで育てましょう。

明るい光が当たる環境で育てれば色鮮やかに育ちます。
株分けをして増やすことができます。

リトープスの育て方情報

分類・形態多肉植物・観葉植物・メセン・多年草
草丈・樹高1cm〜10cm程度
開花の時期11月〜1月
花色白・黄色・ピンク・オレンジ
耐寒性やや弱い
耐暑性やや弱い
特性・用途乾燥に強い・夏場に断水をする・年に1度花を咲かせる
栽培難易度普通

栽培スケジュール

植え付け10月〜11月
植え替え10月〜3月
肥料2ヶ月に1回程
開花11月〜1月

栽培に必要な準備・環境

日当たり 

冬場は日当たりの良い場所で日光に当ててあげると、秋頃から花芽をつけて開花が見られるかもしれません。
この時期に日光が足りないと、ひょろっとした花茎になることも。

夏場は半日陰の場所で育てて直射日光を避けてあげましょう。 

置き場所

高温多湿の場所が苦手なので、夏場(梅雨時期以降)は日当たりがよく風通しの良い環境で育て害虫の発生を避けましょう。
夏と冬では置く場所を変えてあげる必要があります。

水やり

冬場は用土の表面が乾いたらたっぷりお水をあげてください。
6月〜9月頃は夏季休眠期なので、水やりはストップして乾燥させますが月に1〜2回程度、葉の表面に水をあげると(葉水)生育期初期の成長が良くなると言われています。

肥料

秋から春の成長する時期に、暖効性化成肥料か液体肥料を少量あげてください。

用土

水はけの良い土に植えてあげましょう。
多肉植物の土でも大丈夫です。

温度

8度〜25度前後が生育温度ですが、冬場の日中であれば35度程度まで上がっても大丈夫です。

リトープスを育てるときのポイント

選び方

表面にハリのある、傷などついていないぷっくりとしているものを選びましょう。
徒長しているもの(他のものと比べて明らかに伸びている)は弱っていることも考えられるので避けましょう。

種まき

受粉すると花が咲いた後に果実ができます。
茶色くカラカラになったら実を取り出し、中から種を出し冷蔵庫で保管しておきましょう。
10月〜11月に種を撒きます。

水はけの良い粒の細かい土に撒いたら、芽が出るまでは乾燥させないように霧吹きなどで水をあげてください。
上からじょうろで水をあげると種が流れてしまうのでNGです。

植え替え

頻繁に植え替える必要はありません。
鉢底から根が出てきたり生育が弱まったり群生して鉢に対して大きくなってしまったら、10月〜3月の間の成長期に株分け・植え替えをしましょう。

増やし方

種まきか株分けで増やせます。
群生している株を取り出し、株が2つに分かれているものを根が残るようにハサミでカットし2〜3日乾燥させた後に植え替えしてあげましょう。

気を付けるべき病気・害虫

リトープスにつきやすいネジラミという害虫がいます。
楕円形の白い虫で根にまとわりつき、ネジラミがつくことで養分が吸い取られてしまい弱ってしまいます。

植え替えをするときに根をよく観察し、ネジラミがついていたら根を綺麗に洗って薬剤に浸して殺虫します。
よく乾燥させてから植え付けましょう。

殺虫剤・殺菌剤

アクテリック乳剤を1000倍に薄めた液を根が浸るように漬けてください。
植え替えの際にオルトラン粒材を少量混ぜるのも有効です。