紫の雲のように咲き誇る花が美しいジャカランダ【特徴や育て方】

ジャカランダは淡い紫色の花を、木いっぱいに咲かせる日本ではあまり見ることのできない樹木です。

自生している熱帯地方では、15mもの大木になり初夏にたくさんのラッパ状の花を咲かせる姿は多くの人を魅了しています。

日本人にとっての桜のように、ジャカランダはポルトガルの人々からとても愛されています。

植民地時代にブラジルから持ち込まれたと言われるジャカランダ。

ポルトガルの首都リスボンでは大通り沿いに植えられたジャカランダ並木が名所となっていて、開花時期の6月には多くの人が紫色のジャカランダの花を見にやってきます。

日本でも宮崎県や静岡県などの限られた暖かい地域で、群生して植えられているものを見ることができます。

ジャカランダの基本情報

学名Jacaranda
英名Jacaranda
その他別名紫雲木
科名ノウゼンカズラ科
属名キリモドキ属
原産地ブラジル、熱帯アメリカ

ジャカランダの特徴

ジャカランダは観葉植物としても人気で、草丈が低い木に花が咲いた状態で売られていることもあります。

矮性の品種の場合もありますが、多くの場合は継ぎ木として育てられたものなので、その季節には花を楽しむことが出来ますが翌年は開花しなくなってしまうことが多いので注意しましょう。

しかし小さい葉が整然と並んだジャカランダは、インテリアグリーンとしても魅力的で美しい植物です。

ジャカランダの花言葉である「栄光」や「名誉」は、花の形がまるで天使のトランペットのように見える形をしていることからつけられました。

ジャカランダは自生地では一斉に花を咲かせることが多いので、うっとりと目を惹きつけるような特徴からとてもポジティブな花言葉が選ばれています。

和名でもある紫雲木も、たくさんの花がかたまって咲く様子が紫の雲のようだったことが由来となっています。

ジャカランダの種類

ジャカランダは熱帯地方では数十種類が確認されています。日本で手に入る品種をいくつかご紹介します。

ジャカランダ・サマーサンバ

葉に白い斑が入った珍しい品種で、観葉植物としても愛されています。

ジャカランダ・ホワイト

白い花を咲かせる珍しい品種で、南アフリカなどでは大木が名所になっています。

ジャカランダ・プベルラ

ジャカランダの矮性の品種で、1mほどの樹高に少し赤みがかった紫色の花をつけます。

熱帯植物園や花博覧会でも見ることができます。

ジャカランダの栽培・育て方

ジャカランダはある程度の大きさに成長しないと、たくさんの花を咲かせることができません。

地植えにしたほうが大きく育ちますが、日本の気候では冬越しが難しいのが難点です。

暖かい地方でしたら、地植えにして花を咲かせることも可能です。

栽培管理のポイントは、生育期の春から秋にかけてはたっぷりと水を与えること、秋から春の休眠期は乾燥気味に育てることと、たくさんの日光を当てることです。

ジャカランダの育て方情報

分類・形態小高木・高木/観葉植物
草丈・樹高10cm~10m
開花の時期5月~6月
花色淡い紫、青紫、白
耐寒性弱い
耐暑性強い
特性・用途常緑性、観賞用、鉢植え
栽培難易度普通

栽培スケジュール

植え付け5月~9月
植え替え5月~9月
剪定5月~6月
肥料5月~10月
開花5月~6月

栽培に必要な準備・環境

日当たり・置き場所

ジャカランダは日光が大好きな植物なので、屋内で育てる場合も日当たりの良い場所で管理しましょう。

日光が足りないと葉が落ちてしまうので、暖かい日は外でたくさんの日に当ててあげましょう。

水やり

春から秋にかけては、土の表面が乾いたらたっぷり与えましょう。

秋から春にかけては休眠期になるので、乾き気味に管理します。

肥料

春から秋にかけては緩効性の化成肥料を元肥として与え、鉢植えの場合は液体肥料も追肥として与えましょう。

開花後にお礼肥を与えることで、翌年の花付きがよくなります。

用土

市販の草花用土か、赤玉土と腐葉土を7:3で配合したものを用いましょう。

地植えにする場合は、腐葉土などを混ぜ込んで肥やしておきましょう。

温度

氷点下になるような地域では地植えにすることは避けましょう。

冬場は、温室か屋内などの暖かい場所で管理することが必要です。

夏の熱さには強いので、屋外に出してたくさんの日を当てましょう。

ジャカランダを育てるときのポイント

植え付け・植え替え

できるだけ大きめの鉢に植え付けると、生育が良くなりたくさんの花を咲かせてくれます。

鉢植えで育てている場合は、根詰まりを防ぐために年に一回、ひとまわり大きい鉢に植え替えをしましょう。

その際に、古い根や傷んだ根をカットすると生育が良くなります。

剪定

5月から6月に行います。

樹形を整え、混みあっている枝をカットしていきます。

風通しを良くすることで、病害虫の防除にもなるので毎年剪定を行いましょう。

数年に一度は、強剪定を行うことで花付きが増えます。

翌年の花芽がつく夏ごろまでには剪定を終わらせましょう。

ふやし方

春から夏にかけて、挿し木によって増やすことができます。

10cmほどにカットした枝の下葉を切り落とし、赤玉土か挿し木専用土に挿して増やしましょう。

挿し木をしてからは、乾燥しないように管理します。

発根して葉が出るまでは、直射日光に当てないように半日かげの場所で管理しましょう。

気を付けるべき病気・害虫

病気:スス病は葉や茎が黒くなってしまう病気なので、感染した場所を取り除き殺菌剤で対処しましょう。カイガラムシを防除することで発生を防ぐことができます。

害虫:カイガラムシがつくことがあるので、見つけ次第ブラシなどで排除しましょう。幼虫の状態なら、薬剤を散布して退治することも可能です。

殺虫剤・殺菌剤

カイガラムシの幼虫には石灰硫黄合剤を用います。すす病にはベンレート水和剤を使いましょう。