クリスマスツリーのようなゴールドクレスト!特徴や育て方のコツ

円錐形のクリスマスツリーのような見た目が素敵なゴールドクレスト。

鮮やかな常緑の葉が美しく、クリスマスの時期には鉢植えを飾りつけてクリスマスツリー代わりにしたり、庭木のゴールドクレストを飾り付けたりするご家庭もあるでしょう。
常緑なので年中その美しさを楽しめる点や、ヒノキ科の植物でさわやかな芳香がある点も、人気の理由の一つです。

今回は、そんなゴールドクレストの魅力や育て方、育てる上での注意点などをご紹介します。

ゴールドクレストの基本情報

学名Cupressus macrocarpa ‘Goldcrest’
英名Monterey cypress
その他別名モントレーイトスギ(糸杉)・セイヨウヒノキ(西洋檜)
科名ヒノキ科
属名イトスギ属
原産地カリフォルニア・メキシコ

ゴールドクレストの特徴

ゴールドクレストは、カリフォルニアに分布するモントレーサイプレスまたはモントレーイトスギの園芸品種で、針葉樹(コニファーと呼ばれる)の一種です。
ヒノキ科イトスギ属の高木で、その芳香には、リラックス効果や消臭、防虫効果などがあるといわれています。

ゴールドクレストは、庭植えや鉢植え栽培のほか、家の中で観葉植物のように育てたり、寄せ植えのメインツリーに用いたり、特定の形に刈り込むトピアリーとしても人気がある植物です。

ゴールドクレストは冬の寒さや乾燥に強い特徴があります。
ただ、日本の梅雨時期から夏場の蒸し暑さが苦手なので注意が必要です。

蒸れが原因で枯れてしまったり、雨が原因で病気に感染し枯れてしまう恐れがあります。
そのため、夏に熱くなる地域で栽培するには、庭植えよりも鉢植えでの栽培の方が管理しやすいでしょう。

いずれにしても、剪定をきちんと行い、風通しの良い環境を作ってあげることが大切です。

ゴールドクレストの種類

ゴールドクレストはコニファー(マツやヒノキなどの針葉樹の園芸品種の総称)の一種ですが、ほかにもコニファーの種類は多く出回っています。
管理方法はほとんど同じなので、ゴールドクレストの育て方を参考にしてください。
以下にさまざまな品種をご紹介します。

ゴールドクレスト

葉は黄金がかった鮮やかな黄緑色です。
寒い時期になるとオレンジ色がかかった緑になります。

ゴールドクレスト・ウィルマ

ゴールドクレストよりも緑色が濃く、もっと蜜に枝が付いています。
病害虫に強い品種です。

スリムゴールドまたはクレスト・スリム

ゴールドクレストより細身のものです。

ブルーアイス

アリゾナイトスギとも呼ばれ、葉が銀白色で、だんだん緑色になります。
香りが強く、育てやすい品種です。

ヨーロッパゴールド

大型のコニファーで、柑橘系の香りが特徴です。
樹高は5mほどに生長します。

ゴールドクレスト・ハッピー

斑入りのゴールドクレストの品種です。

ゴールドクレストの栽培・育て方

前述したように暑さや高湿度に弱いため、初心者の方には室内用、もしくは移動可能な鉢植えや寄せ植えをお勧めします。
夏場は、枯れるのを防ぐため、明るい室内や軒下に移動するなど適切な管理が必要です。

ゴールドクレストの育て方情報

分類・形態針葉樹・高木
草丈・樹高~20m
開花の時期5月
花色
耐寒性強い
耐暑性弱い
特性・用途常緑・庭木・鉢植え向き・観葉植物・耐寒性
栽培難易度やや難しい

栽培スケジュール

植え付け3月・9~10月
植え替え3月・9~10月
剪定3~6月または9~10月
肥料3月および6月
開花5月

栽培に必要な準備・環境

日当たり・置き場所

ゴールドクレストを健康的に育てるには、日当たりと温度管理がポイントとなります。
直射日光を好む植物なので、庭植え、鉢植えであっても、室内で観葉植物として育てるときも、日当たりの良い場所に置きましょう。
日陰で育てると、先が徒長したり、葉が黄色っぽくなったりしてしまいます。

ゴールドクレストの生育における適温は15~25℃で、寒さには強いのですが、最低でも 0℃ ある場所が望ましいとされています。
寒い地域や積雪がある地域では、傷む可能性が出てくるので、鉢植えで管理して室内で冬越しさせると良いでしょう。
また、前述したとおり、暑さに弱く、内側の葉が茶色に変色して枯れる心配があるので、夏も室内への移動が必要です。

水やり

ゴールドクレストは比較的乾燥に強いですが、あまり水が足りなくなると枯れてしまうので、水やりを適宜行う必要があります。
ただ、水分過多も良くないので、土が乾いたら、水をあげるようにします。

地植えの場合は、ほとんど水やりをしなくても問題ありません。
ただ夏場暑い時期には涼しい時間帯に水を適宜あげてください。

室内で育てる場合も、土の表面が白く乾燥してきたら水をあげます。
葉が乾燥することがありますので、霧吹きで潤してあげるとさらに良いでしょう。

用土

水はけのよい土を好みます。
市販の観葉植物用の土や、赤玉土、腐葉土、ピートモス、パーライトなどを混ぜて用土にすると良いでしょう。

ゴールドクレストを育てるときのポイント

ゴールドクレストの選び方

ゴールドクレストは、園芸店やホームセンター、インターネットでも、一年中苗が販売されていて、ガーデニング初心者が始めやすい植物の一つです。
特にクリスマス前の時期によく出回るので、良いものを手に入れましょう。

葉が乾燥してパラパラ落ちるようなものや、葉の色が茶色くなっているもの、間延びしているものなどは避けます。
葉の内側までチェックしてから購入しましょう。

植え付け・植え替え

植え付けおよび植え替えは、3月に行うか、暑さが和らいだ9月から10月頃が適期です。
コニファーは、根をいじられることを嫌うので、根を崩さないよう注意しながら、植え付け、植え替えを行います。

高さのある植物ですので、鉢植えの場合は大きめな鉢を用意することをお勧めします。
また、根張りが浅く、粗い植物で、強風に当たると倒れる恐れがあります。
外で育てる場合は、支柱を用意して支えてあげると良いでしょう。

剪定・切り戻し・収穫

ゴールドクレストはその美しい形状を楽しむものですので、定期的に剪定が必要です。
また、風通しを良くして枯らせないようにするためにも、混みあった部分を切って整えると良いでしょう。
剪定には3月~6月、9月~10月の時期が最適です。

ふやし方

挿し木でふやすことができます。
時期的には、3月~6月または9月~10月の剪定の時期に、切った枝を使って挿し木を作るのがお勧めです。

気を付けるべき病気・害虫

空気が乾燥すると、アブラムシ、ハダニ、カイガラムシ等の害虫の被害にあうことがあります。

殺虫剤・殺菌剤

乾燥を避けるため、定期的に水やりや霧吹きで葉全体を潤してあげましょう。
害虫を見つけたら、ベニカXファインスプレーなどの殺虫剤を使用します。