ねむの木(合歓木)の育て方・美しい花にうっとり!

公園や庭木にぴったりのねむの木。
マメ科、ネムノキ属の落葉高木で線香花火状にひろがったピンク色の花を咲かせます。
ふわふわとした花はまるで、色付きの綿あめのようにも見えます。

日本が原産であるねむの木は、日本の気候でよく育ちます。
寒さにも暑さにも強く、病害虫の被害も少ないため、とても育てやすい植物です。
あまり大きくしたくない場合は、盆栽としても楽しむ事ができます。

今回は、そんな美しいねむの木についてご紹介します!

ねむの木の基本情報

学名Albizia julibrissin
英名Persian silk tree・Silky acacia・Japanese mimosa
その他別名合歓木・ネブノキ
科名マメ科
属名ネムノキ属
原産地日本・南アジア・ヒマラヤ・インド・イラン

ねむの木の特徴

ねむの木の葉は、羽状複葉(うじょうふくよう)という左右対称に小さな葉がたくさんついる形です。

夜になるとオジギソウのように垂れ下がって閉じます。
これを就眠運動と呼び、葉が眠るようになる特徴から「ねむの木」という名前が付けられました。

また、花の細長くふわふわとした部分は、たくさんの雄しべの集まりです。
開花期には、木の下に落ちたピンクの雄しべが溜まり、美しい光景が見られます。
但し、種まきから花をつけるまで10年ちかくを要するので、のんびりと育てる必要があります。

ねむの木の種類

日本に自生しているねむの木は、ピンク色の花をつける一派的な「ねむの木」ですがこの他にもいくつかの種類があります。

サマーチョコレート

夏になると、葉が緑色から暗紫色に色付く銅葉種です。
薄いピンクの花をつけます。

シロバナネム

白い花をつける品種で、ギンネム(ギンゴウカン)とも呼ばれています。
寒さには弱いため、移動出来る鉢植えが向いています。

イッサイネム

種まきから2年~3年と比較的早く花が咲きます。
花付きが良い品種です。
樹高も1m~3mとねむの木の中では、小さめなので植える場所も確保しやすいでしょう。

エバーフレッシュ

エバーフレッシュは観葉植物として人気があります。
赤くらせん状のさやに黒い種をつけるのが特徴です。

ねむの木の栽培・育て方

ねむの木はとても丈夫なので、植える場所と風通しさえ気を付ければ、元気に育ちます。
但し、まだ若い2年以下の木とそれ以上生長したものとでは、水やりの頻度に違いがあります。

また、10m前後と大きくなるため、庭に地植えにする場合はそれも考慮して植える場所を決めてください。

ねむの木の育て方情報

分類・形態小高木・高木・庭木・落葉高木
草丈・樹高庭木5~10m・盆栽20cm~50cm
開花の時期6月~8月
花色ピンク・赤
耐寒性強い
耐暑性強い
特性・用途落葉性・日陰でも育つ・庭木
栽培難易度普通

栽培スケジュール

植え付け3月~4月
植え替え3月~4月
剪定2月~4月
肥料1月(寒肥)・3月(追肥)
開花6月~8月
収穫10月~11月(種の収穫)

栽培に必要な準備・環境

それでは、次にねむの木を育てるのに必要な環境をみてみましょう。

日当たり・置き場所

日当たりと風通しのよい場所を好みます。
日当たりの良い場所だと、より花をよくつけるため少なくとも半日は日が当たるところが良いでしょう。

水やり

まだ小さい苗や2年未満の木は、毎日水やりをしましょう。
春から夏にかけては、朝と夜の1日2回水やりしましょう。

真夏の暑い日中に水やりをすると、土の中で水がお湯になり根を傷めてしまいます。
水やりは必ず涼しい時間帯に行ってください。

冬場は、2日から3日に1回程度、土の表面が乾いたら水やりをしてください。

庭に植え付けてから2年以上経過した木は、雨だけでも育つ事ができます。
暑い日が続くような真夏は、他の植物に水をやる時に一緒にあげる程度で大丈夫です。

  • 2年未満の木:春・夏は1日2回、秋は1日1回、冬は2~3日に1回
  • 2年以上の木:雨のみで育つ

肥料

肥料は多く必要ありません。
豆科の植物にある根粒菌が働き、窒素を与えてくれます。

庭に地植えにする場合は、1月頃に有機肥肥料を寒肥としてまきます。
鉢植えの場合は、3月頃に置き肥として緩効性肥料をあげてください。
肥料はあげすぎないようにしましょう。

用土

どんな土でも育ちますが、水はけが良い土が好ましいです。
庭に直接植え付ける場合は、腐葉土を混ぜこんでおくとよいでしょう。

温度

0度以上あれば、暑さにも寒さにも強く丈夫です。
日本全国で育てられますが、冬場に0度以下になるような場所は簡易ムロに入れることをおすすめします。

ねむの木を育てるときのポイント

それでは、次にねむの木を育てるポイントをご紹介します。

選び方

葉に張りとツヤがあるものを選びましょう。
また、病害虫がついていないかも確認しましょう。

葉の色がキレイな緑色で、黄色くなってしまっているものは避けてください。

種まき

豆のさやが出来るので、熟したら採取し保管しておきます。
次の年の3月~4月頃に種まきをします。

植え付け

3月から4月、新芽が出て温かくなり始めた頃が植え付けに適した時期です。

植え替え

鉢植えの株は、1年~2年に1回、植え替えをしましょう。
根をいじられるのを嫌がるので、植え替えの際には根を傷つけないようにしましょう。

剪定・切り戻し

枝が伸びすぎてきたら剪定を行います。
2月~4月頃に作業をしましょう。

剪定では、枝分かれしている根本から切ってください。
作業には清潔なハサミを使い、枝の切り口から雑菌が入るのを予防するために癒合剤を塗るとよいでしょう。

あまり強い剪定は好まないため、樹形を整える程度に枝を切りましょう。

ふやし方

挿し木や前の年に採取した種から増やすことができます。
挿し木は、剪定の際に切った枝を使うことができます。

20cm程度の枝をメネデールを溶かした水に数時間つけます。
枝の上の方についている葉を2~3枚残して、赤玉などの清潔な用土に挿します。
水をたっぷりあげて、1カ月~2カ月発根するのを待ちます。

気を付けるべき病気・害虫

比較的病害虫に強いですが、カイガラムシの被害やすす病にかかることがあります。
カイガラムシがついてしまうと、葉や幹から栄養をすいとってしまうだけでなく、排泄物からすす病にかかってしまいます。

殺虫剤・殺菌剤

カイガラムシの数が少なく、幼虫の場合は歯ブラシやティッシュで取り除いてください。
数が多い場合や成虫になってしまったら、カイガラムシ用の殺虫スプレーを使って駆除しましょう。