銀木犀(ギンモクセイ)の育て方|剪定の時期と増やし方についてもわかりやすく解説

秋になるといい香りを漂わせる金木犀と似た名前を持つ銀木犀。
実は、同じモクセイ科で金木犀の親戚なんです。

一番の違いは、金木犀の花の色が濃いオレンジ色なのに対して、銀木犀は白やクリーム色の花をつけることです。
また、銀木犀の葉は金木犀と異なりふちがギザギザとしています。

金木犀と同じように、銀木犀もいい香りを漂わせますが、金木犀に比べると匂いが弱いようです。
銀木犀のほうが金木犀より歴史が深く、中国で古来から木犀と呼ばれていた樹木は銀木犀のほうだと言われています。

銀木犀は初心者にも育てやすく、庭木や記念樹にピッタリな樹木です。
花の季節になるとさりげない香りを漂わせてくれるのが魅力の銀木犀。

今回はそんな銀木犀の特徴や育て方についてご紹介します。

銀木犀(ギンモクセイ)の基本情報

学名Osmanthus fragrans
英名Silver osmanthus・Fragrant olieve
その他別名木犀
科名モクセイ科
属名モクセイ属
原産地中国

銀木犀の特徴

銀木犀には「初恋」や「唯一の恋」などとてもロマンチックな花言葉がついています。

白く可愛らしい花を咲かせる銀木犀の印象や、古来中国の伝承で銀木犀の香りをつけたお酒を飲んでデートに向かったというエピソードからこのような言葉が選ばれました。
「高潔」という花言葉も、花の純白さから連想されました。
また、銀木犀の名前の由来は幹の表面がサイ(犀)の体のようにごつごつしていたことからつけられました。

日本では庭木や街路樹、生垣としては、金木犀のほうが好まれているのであまり銀木犀を見かけませんが、海外では銀木犀がポピュラーな国も多く存在します。

英名や学名にも英語やギリシャ語で、香り高い特徴を強調した単語が入っています。
控えめな香りやクリーム色の花が魅力的で、あえて銀木犀を選んでいるという方も多いようです。

銀木犀(ギンモクセイ)の栽培・育て方

銀木犀は初心者にも育てやすい樹木です。
2月~3月に剪定をすることで風通しが良くなり、病害虫を防ぎたくさんの花をつける丈夫な木に育てることができます。

庭木の健康を保つためにも、剪定は忘れないようにしましょう。
水はけと日当たりをよくすることが、栽培のポイントです。

銀木犀(ギンモクセイ)の育て方情報

分類・形態庭木・常緑樹
草丈・樹高3m~10m
開花の時期9月~10月
花色クリーム色・白
耐寒性普通
耐暑性普通
特性・用途生垣・記念樹・街路樹
栽培難易度普通

栽培スケジュール

植え付け3月~5月、10月~11月
植え替え3月~5月・10月~11月
剪定2月~3月
肥料5月・2月~3月
開花9月~10月

銀木犀(ギンモクセイ)の栽培に必要な準備・環境

銀木犀は庭木や生垣にピッタリですが、耐寒性が高くはないのでなるべく日当たりのいい場所で管理しましょう。

日当たり・置き場所

日当たりの良い場所を好みますが、暖かい地方でしたら半日蔭でも育てることができます。
たくさんの日光を浴びたほうが花付きが良くなります。

耐陰性はありますが、十分な日光を浴びないと花つきが悪くなってしまいます。

水やり

植木鉢の場合は、土の表面が乾いたらたっぷりと与えましょう。
特に夏場は、朝と夕方に水やりをします。

庭植えの場合は、水やりの必要はありませんが真夏などは朝か夕方に水をかけてあげましょう。
常緑樹でしっかりとした葉をもつ銀木犀ですが、葉が汚れたり虫がつくことがあるので、定期的に葉にも水をかけてあげてください。

肥料

5月と、2月~3月にリン酸が多めの化成肥料を与えましょう。

用土

水はけがよく、肥沃な用土を好むので、赤玉土と腐葉土、黒土を配合して作るか市販の園芸用土を使いましょう。
庭植えの場合は、植え付ける前に腐葉土やたい肥を混ぜ込んでおきましょう。

銀木犀(ギンモクセイ)の育て方のポイント

植え付け・植え替え

銀木犀を植え付けるときは、根鉢を崩さないようにそっと扱いましょう。

数年に一度、春か秋にひとまわり大きめの鉢へ植え替えましょう。
庭に植える場合は、植え替えは必要ありませんが植え付け時にたい肥や腐葉土を与えておきましょう。

剪定

銀木犀は育ちやすい樹木なので、毎年2月~3月に風通しを良くするために剪定を行いましょう。
それ以外の時期に剪定をすると、花芽を切ってしまうおそれがあるので注意します。

混みあった枝や飛び出した枝をカットして、樹形を整えます。
樹高を半分にするなど大きく切り詰める場合は、そのあと数年は強い剪定をしないようにしましょう。

増やし方

銀木犀は挿し木で増やすことが出来ますので、7月下旬~9月上旬の夏に育ってくる新枝を切って水はけの良い赤玉土か挿し木用の用土に挿して増やしましょう。

  • 1. 新芽がある枝を選び切りましょう(10センチ程度)
  • 2. 切った枝の切り口を数時間水につけましょう
  • 3. 切り口に発根促進剤をぬりましょう
    ポイント:発根促進剤を使うと発根の確率が高くなります
  • 4. 赤玉土かパーライトに挿しましょう
  • 5. 根付くまでは、半日蔭の場所で管理して土の表面が乾かないように注意しましょう。
  • 6. 根が生えたら、植え替えましょう
    ある程度の大きさになるまでは、管理しやすい植木鉢で育てることがおすすめです。

銀木犀(ギンモクセイ)気を付けるべき病気・害虫

病気

褐班病、炭そ病はいずれも葉に異常が出るので、よく葉を観察して発生したら早めに殺菌剤を散布します。

害虫

カイガラムシが発生することがあるので、冬場に薬剤を散布するか成虫になってしまった場合はブラシなどでこすりとって排除しましょう。

銀木犀(ギンモクセイ)殺虫剤・殺菌剤

カイガラムシは、幼虫の状態の冬場あれば石灰硫黄合剤を散布することで対処できます。

殺菌剤にはダコニールなどを使用します。