スモークツリーの育て方|苗の植え付け時期と剪定について

まるで樹木の枝に雲がかかったような花を咲かせるスモークツリー。

不思議でその可愛らしい姿はフラワーアレンジメントやドライフラワーなどとして用いられます。

また葉もさまざまな色があり、カラーリーフとしても品種改良され、さらに紅葉をすることから、非常に姿や色を楽しめる樹木です。

スモークツリーの基本情報

学名Continus coggygria
英名Smork tree
その他別名カスミノキ・ハグマノキ・リュウスコチナ
科名ウルシ科
属名ハグマノキ属
原産地南ヨーロッパ・ヒマラヤ山脈・中国

スモークツリーの特徴

ヨーロッパから中国まで、広く分布しているスモークツリーは、耐寒性、耐暑性共に強く、育てやす樹木に分類されます。

小さな花が無数に集まっており、花後に雌株のみが、花柄を長く伸ばし細かい毛を密集させ、煙のように見えるのです。

ですので、雌株が特に流通していますが、カラーリーフとしても人気が高いので、雄株も少なからず出回っています。

花言葉は、その名前の通り「煙に巻く」や「儚い青春」と呼ばれており、煙のような花が樹木を包み込みます。

また、煙のように一瞬で過ぎ去ってしまう青春時代を煙をとして、儚さを表しているのです。

「賑やかな家族」もその無数に集まった花の姿が、豪華に咲き誇ることから、由来しているのでしょう。

スモークツリーの種類

花だけではなく、カラーリーフとして葉も楽しめるスモークツリーは、非常に多くの品種が流通しています。

リトルルビー

日本で改良された比較的小型のスモークツリーです。

背丈は2mほどで、庭木のシンボルツリーとしても向いています。

色は鮮やかな赤色を帯び、夏にかけて徐々に緑色に変色します。

グレース

花が赤紫色で花も非常に豪華です。

葉も黒みがかった赤色で、生長と共に、緑色に変色します。

生育が旺盛な種類なので、若木時の剪定が難しいとされていますので、管理の際は注意です。

ロイヤルパープル

濃い赤色の花を咲かせますが、花付きがグレースよりも落ち着いています。

花より赤紫色の葉に鑑賞価値があり、夏にかけて緑がかり、秋になる紅葉する四季が楽しめる樹木です。

また生長も比較的ゆっくりなので、栽培も易しいでしょう。

ヤングレディ

名前の通り、小さい木のうちから花が豪華に咲く特徴があります。

花は薄い緑色から白色に変色した後、ピンク色に変わる特徴もあるのです。

葉も楽しめ、秋には紅葉もします。

ゴールデンスピリット

花よりも葉を楽しむために改良された品種です。

葉がゴールドのように輝くライムグリーンで、夏にかけ濃くなり、秋にはオレンジから赤に紅葉する、非常に魅力的なスモークツリーとなります。

花は落ち着いており、薄い緑がかった白色の花弁を咲かせる品種です。

スモークツリーの栽培・育て方

スモークツリーは生長が早い樹木です。

特に若木のうちは剪定の手入れに忙しく、樹形のバランスも崩れやすくなるので、管理を怠ると歪な形となってしまいますので注意しましょう。

しかし寒さや暑さに大変強いため、育てやすい面もあるので、初心者でも比較的挑戦しやすいといえます。

スモークツリーの育て方情報

分類・形態小高木・高木/庭木/カラーリーフ
草丈・樹高2m〜4m
開花の時期6月〜8月
花色緑、赤
耐寒性強い
耐暑性強い
特性・用途落葉性、品種によってカラーリーフになる、またドライフラワーなどのフラワーアレンジメントでも使える
栽培難易度やや易しい(若木のうちの剪定が難しい)

栽培スケジュール

植え付け11月〜3月(極度の寒さは避ける)
植え替え11月〜3月(極度の寒さは避ける)
剪定11月〜2月
肥料12月〜2月
開花6月〜8月

栽培に必要な準備・環境

日当たり・置き場所

スモークツリーは、日光を好み、直射日光にもとても強い樹木です。

また、耐寒性、耐暑性共に優れているため、温度に置いては場所を選びません。

しかし、乾燥に強い面、多湿の環境は苦手とするため、湿気があるような場所は不向きです。

また、根の張りが浅いため、強風や嵐の際は、倒木の恐れがあるので、ある程度の囲みがありつつ、スペースが広く取れる場所で管理するとよいでしょう。

生長が早いので、できるだけ鉢植えでの管理を避け、庭木などの地植えを試みましょう。

水やり

乾燥に強く、多湿に弱いので、過剰な水やりは禁物です。鉢植えで育てている場合、夏は土の中が乾燥してから水を与えます。

目安としては、土の表面が白くなったり、地割れを起こしたりしてから、与えるとよいでしょう。冬は土が乾いて3日ほど過ぎてから与えましょう。

また、地植えの場合は、植え替えした際に水やりをしたら、与える必要はありません。

用土

水はけをよくするようにしましょう。

鉢植えの場合は、赤玉土や腐葉土を使い、地植えの場合は、土と一緒に腐葉土を混ぜて水はけよくします。

肥料

植え付けの際に、堆肥と有機質肥料を土に混ぜておきます。

その後は必要はありませんが、生育が悪い場合や、新芽が出るころに緩効性肥料を置き肥するとよいでしょう。

できるだけ12月〜2月ごろの寒い時期に行うと肥料焼けもせずに済みます。

スモークツリーを育てるときのポイント

植え付け・植え替え

鉢植えの場合は、落葉期の11月〜3月の間に1〜2年に一回の目安で行います。

地植えの場合は、植え替え後は必要ありません。

植え替えをする際は、根に傷を付けずに注意を払いながら、根についた土を半分ほど払い植えます。

剪定

若木のうちの剪定は、樹形を整えるためにも、念入りに行います。

11月〜2月を目安に、好みの箇所で構わないので、切り落とします。

若木は多数の枝が無数に伸びるので、枝を数本に絞りながら切っていきましょう。

ふやし方

株の横から枝(ひこばえ)が伸びるので、1mほどに生長し、根付いたら後に剪定をして増やします。

気を付けるべき病気・害虫

病気

特にないが、ごく稀にうどんこ病は発生する。

害虫

特になし