丸を帯びた葉が6つほど集まって星形のような形に見えるカポックは、とてもかわいい葉です。
しかし立ち姿は凛として、濃い緑色で鮮やかな葉はインテリアの大きな存在となります。
また観葉植物の中では比較的育てやすく、斑入りの品種はさらに見応えがあって人気の一つでしょう。
今回は、カポックの育て方や花言葉、また水耕栽培でも育てられるので、その解説をしています。
カポックの基本情報
学名 | Shefflera arboricola |
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英名 | Shefflera・Umbrella tree |
その他別名 | シェフレラ・フカノキ |
科名 | ウコギ科 |
属名 | フカノキ属 |
原産地 | 中国南部・台湾・フィリピン |
カポックの特徴
カポックは常緑高木樹となりますが、観葉植物では最大でも2mほどの高さまで生長します。
その可憐な姿と緑濃く映える葉の美しさから、「とても真面目」や「実直」という花言葉があります。
カポックの幹は四方八方伸び、強く生きる生命力ある樹木です。
また、花も咲くようですが、20年以上の年月を経たないと、花は咲かせないのです。
そのような姿がカポックの花言葉へと結びついたのでしょう。
贈り物としても非常に人気があるので、カポックも手に取るのもよいです。
カポックの種類
カポックという名前は、元々既に確認されていたドリアンやバオバブが分類するパンヤ科の「カポック」に似ていることから、同じように名前がついたとされます。
園芸品種のカポックをシェフレラと呼ぶことも一般的です。
シェフレラ・ホンコン
カポックの代表的な品種となり、園芸店ではよく見かける1つです。
鮮やかな緑と丸みを帯びた葉が特徴のカポックでしょう。
また、中には斑が入ったものもあり、さらに見応えのある観葉植物です。
シェフレラ・コンパクタ
比較的カポックの中では小さい品種となります。
また、コンパクタはさらに2種類に分けられ、葉先が鋭く長く伸びた品種をキング、葉が丸く小さいものをクイーンと呼びます。
シェフレラ・レナータ
通称「金魚カポック」と呼ばれ、葉先が2つ股、3つ股のように分かれているのが特徴です。
葉には斑入りのものなど可憐なものが多く見栄えのよいカポックです。
シェフレラ・アンガスティフォリア
通常のカポックと比べると、葉の形が異なり、笹のように長く伸びた葉と見た目姿が特徴的です。
幹もしなやかに曲げることができ、捻り木として贈り物になる品種となります。
シェフレラ・スターシャイン
葉が全体的に長く垂れ下がり、観葉植物のパキラのような葉姿で、凹凸のある葉と葉脈や特徴的です。
フィリピンを原産とし、カポックの中では珍しい品種となります。
カポックの栽培・育て方
カポックは比較的暖かい場所に自生していることから、暑さには強い植物です。
しかし、寒さは5℃以上での環境であれば耐えられるので、極端な寒さや、霜に当たらなければ屋外で育てることもできます。
育てる手間もかからず、生育も旺盛なので、初心者でも育てやす観葉植物です。
カポックの育て方情報
分類・形態 | 小高木・高木/観葉植物/常緑高木 |
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草丈・樹高 | 10cm〜12m |
開花の時期 | 不定期 |
花色 | 白 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 常緑性、海外では盆栽、種類によっては贈り物 |
栽培難易度 | 易しい |
栽培スケジュール
植え付け | 5月〜9月 |
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植え替え | 5月〜9月 |
剪定 | 4月〜11月 |
肥料 | 4月〜11月 |
開花 | 不定期(20年以上の歳月をかけて、やっと咲く) |
栽培に必要な準備・環境
日当たり・置き場所
耐陰性があるので、日当たりが悪い場所で育てることができます。
しかし長く日の当たらない場所で育てると株は弱くなり、病害虫の被害が増える可能性があるので、できるだけ半日陰の環境下で育ててあげましょう。
暖かければ屋外でも育てられ、直射日光にも強い植物です。
午前中のみ直射日光に当てて、暑くなり始めたら屋内で育てると健康的な株になります。
水やり
土の表面が乾いてから水をたっぷりと与えます。
特に夏場は水切れを起こしやすいので、乾燥に注意しながら徹底管理です。
また冬場は生長が緩慢な場合は水を控え、土が乾いて数日経ってから与えます。
暖かい場所で育てて生長していたら、生長期と同様に水を与えるとよいです。
用土
水はけをよく、排水性、通気性に優れた用土を作るとよいです。
腐葉土や堆肥も混ぜあわせて、より肥沃で水はけのある用土を作ることを心がけましょう。
肥料
4月から11月の生長期に与えるとよく、2ヶ月ごとに緩効性の化成肥料を与えるとよいです。
生長していて新芽が次から次へと出る場合は、多めに施肥するとさらに生長もよくなります。
カポックを育てるときのポイント
選び方
主にハダニやアブラムシなどの害虫がついていないか見るとよいです。
植え付け・植え替え
生長が旺盛な観葉植物です。
できるだけ、2年に1回ほどは植え替えを行って、鉢を大きくしていきましょう。
剪定
脇芽を出して、どんどん伸びてしまう傾向があり、放っておくと樹形を乱します。
樹形を乱すようなものは切り戻しを行うか、まっすぐ上へ伸びるように誘引してあげるとよいです。
ふやし方
挿し木:脇芽が出てきた不要な枝で挿し木ができます。脇芽をあえて伸ばし、10センチ程度まで伸ばすと、挿し木にできます。
水差しによる水耕栽培:脇芽を伸ばしたもので挿し木もできますが、水耕栽培としても育てられます。10センチ以上伸びて、葉茎が出ているのであれば、まず適当な箇所で切り落とし、下から2節目程度まで葉茎を残しつつ、斜めに枝を切り落とし仕立てます。仕立てたカポックはそのまま水差しをし、約1〜2ヶ月ほどで発根をするでしょう。
気を付けるべき病気・害虫
病気
特になし。
害虫
風通しが悪く乾燥が続いた状態が続くと、ハダニやアブラムシ、カイガラムシが発生しやすくなります。
またアブラムシは新芽を狙って発生する傾向があります。
殺虫剤・殺菌剤
日頃の葉水とホコリなどを拭き取りつつ、予防をしましょう。