他の植物と相性がよく育てやすいにんにく【種類や育て方について紹介】

ニンニクは強い辛みと匂いが特徴の、料理には欠かせない香辛料のひとつです。
幅広く料理に活用でき、香辛料として料理をひきたてるだけでなく、栄養が豊富で古くより人々に食用として親しまれてきました。

そんなニンニクですがその匂いと辛みから害虫がつきにくく育てやすいため初心者の方にもおすすめの植物です。
市販のニンニクは外国産が多く国産のニンニクは少なく値段も高い傾向にあるため、自分でニンニクを作って食べてみるのはいかがでしょうか?

にんにくの基本情報

学名Allium sativum
英名Garlic
その他別名大蒜
科名ヒガンバナ科
属名ネギ属
原産地中央アジア

にんにくの特徴

ニンニクを食べると元気がでるイメージがあるように、ニンニクを摂取することでニンニクに含まれるアリシンがビタミンB1の吸収を助けることで元気がでたり、古代エジプトではニンニクを食べて辛い重労働に耐えピラミッドを作ったとまで言われています。

またニンニクは植物のほぼ全般と相性がよく、強い匂いがアブラムシなどの害虫を寄せ付けない優秀なコンパニオンプランツと呼ばれています。

ニンニクの花言葉として勇気と力などの言葉がありますが、実際ニンニクは花が咲くと花に栄養がとられてしまうため、花が咲く前に収穫されます。

そのためあまり花を目にする機会はありませんが、茎先に散形花序(たくさん枝が出て、先に1個ずつ花が付く)をだし、紫色を帯びた白い花をたくさんつけます。

にんにくの種類

ニンニクは気候や天候の影響を受けやすい野菜ですが、おおまかに寒地向けと暖地向けの2種類に分かれます。
そのためお住まいの地域の気候に合わせた種類を選ぶようにしましょう。

ホワイト6片

寒冷地系ニンニクの代表種であり、市場に最も多くでまわっています。
鱗片が大きく形がそろっているのが特徴で、東北から北関東向きであり暖地では球の太りが悪くなったり病気がでやすくなります。

エレファントガーリック(ジャンボニンニク)

手のひらにすっぽりおさまるほどの大きなニンニクで西洋ネギのリーキの仲間です。

とても大きくいことが特徴ですが、育て方は通常のニンニクと変わらず育てやすい品種です。
匂いや刺激が少ないので、厚切りにしてニンニクステーキとして食べることもおすすめです。

無臭ニンニク

名前の通り、香りがマイルドでニンニク特有の風味も少ないため、ニンニクが苦手な方におすすめの品種です。
鱗片が10個以上付くので、エレファントガーリックよりは若干小ぶりですが通常のニンニクの7~8倍ほどの大きいサイズのニンニクが収穫できます。

また、暖地でも育てやすい事が特徴です。

平戸

関東以外西にお住まいの方におすすめの暖地向けの品種になります。
比較的育てやすく、ニンニクの風味もしっかり楽しむことができます。

嘉定

暖地向けの品種で早生のため早く収穫出来る事が特徴です。
やや小ぶりですが、香りが強く若い時に収穫すれば葉ニンニクとしても使うことができます。

にんにくの栽培・育て方

害虫の心配もさほどなく、手間があまりかからず育つにんにくですが、植え付けの際の気候や土、あとは肥料のタイミングなどを注意する必要があります。

栽培後は貴重な生ニンニクを食べることもできれば、そのまま乾燥させて長期保存することもできます。

にんにくの育て方情報

分類・形態野菜・多年草
草丈・樹高20~40㎝
開花の時期5月下旬~6月
花色白・紫
耐寒性弱い~やや強い(品種による)
耐暑性弱い~やや強い(品種による)
特性・用途香料
栽培難易度普通

栽培スケジュール

植え付け9月~10月
肥料10月~12月、2月、3月
収穫5月下旬~6月

栽培に必要な準備・環境

日当たり・置き場所

日当たりがよく水はけのいい場所を好みます。

水やり

種球を植えた後に発芽するまで土が乾燥しない様にたっぷりと水やりをしましょう。
発芽した後葉、乾燥気味にすることが大切で、冬の寒い時期でも晴天が1週間以上続く場合はしっかりとかん水を行うことで球が元気に大きく育ちます。

肥料

追肥は10月~12月、2月、3月の計3回行います。
緩効性化成肥料であれば月1回、液体肥料であれば規定よりもやや薄めのものを3月までに4~5回に分けてあげてもよいでしょう。

用土

市販の野菜用の培養土でも問題ありませんが、水はけのよいものを選びましょう。
庭植えの場合は植え付けの3週間前に推肥を、2週間前に石灰をいれて耕しておきましょう。
その後植え付け1週間前に元肥を入れて準備します。

温度

気温約20℃前後を目安に植え付けをしましょう。

にんにくを育てるときのポイント

選び方

球のまま打っている場合や、鱗片にばらして売っているものもあります。

球のままの場合はできるだけ大きい物を選びましょう。
鱗片にばらしている場合は鱗片の芽(とがっている方)を傷つけない様に注意しましょう。

種まき・植え付け

種球を鱗片にばらし、薄皮は剥がすと種が傷つく可能性があるのでそのまま剥がさずに使います。
株間を10~15㎝ほどとって、一片ずつ先の尖った芽の方を上にして土に3~5㎝程度の深さに押し込み、優しく土をかぶせます。

剪定

芽かき

10月上旬から11月下旬にかけて分球にした芽が10㎝程度に2本以上伸びた株は、小さい芽の方を摘み取りましょう。
この時に株を傷つけない様に手で押さえて抜き取りましょう。

花芽摘み

5月頃に葉の中心から花茎が伸びてきますが、花茎が伸びると球の肥りが悪くなるため茎は伸びたらできるだけ摘み取りましょう。

収穫

雨の日や雨が続いた後に収穫をすると品質が落ちるので、何日か腫れが続いた後に収穫しましょう。
植えた株の8割の葉が枯れ始めた時が収穫のタイミングです。

球の近くの茎を持って傷つけない様に一気に引き抜いて収穫しましょう。
収穫時期を逃すと腐ったり鱗片がばらばらになることがあります。

気を付けるべき病気・害虫

病気

にんにくを育てるときには、赤さび病と春腐病に注意する必要があります。

赤さび病

赤さび病はにんにくに出やすい病気のひとつです。

赤さび病は、カビの一種で葉の表面に黒や褐色などの病斑が現れます。

暖地向けよりも寒地向けのにんにくに出やすい傾向にあります。

春腐病

春腐病は春の長雨で発生しやすくなります。
雨水がたまらないように水はけをよくしましょう。

また肥料をあげ過ぎてもかかりやすくなります。

害虫

にんにくを栽培するときには、アザミウマに気を付けましょう。

アザミウマは細い体系の昆虫です。
農薬を使用しなくても青色のビタットトルシーなどの園芸用品や青いハエ捕り紙で駆除できます。

殺虫剤・殺菌剤

赤さび病には、赤さび病用の散布系農薬が効果的です。