
ブロッコリーとカリフラワーの中間のような特徴をもった野菜、ロマネスコ。
日本のスーパーで見かける機会はまだまだ少ないですが、ヨーロッパではポピュラーな野菜で、よく食べられています。
今回は、食卓に華やかな色どりをそえるロマネスコについて、植え方や育て方などを詳しくご紹介します。
ロマネスコの基本情報
学名 | Brassica oleracea var. botrytis |
---|---|
英名 | Romanesco broccoli, Cauliflower romanesco |
その他別名 | 黄緑珊瑚(キミドリサンゴ)・サンゴ礁・カリッコリー |
科名 | アブラナ科 |
属名 | |
原産地 | ヨーロッパ |
ロマネスクの特徴
明るいライムグリーンに個性的な見た目が目を引くロマネスコ。
珊瑚のようなブツブツした突起がドリル状に集合し、細部と全体が同じ形を反復しています。
食用にするのは花の蕾、花蕾の部分です。
ブロッコリーやカリフラワーと同じ、アブラナ科の植物になります。
食感はカリフラワーに似て、コリコリとした歯ごたえで、ほのかな甘みがあります。
軽く茹でて魚や肉料理のつけ合わせにしたり、サラダやグラタンに入れておいしく食べることができます。
クセがないので工夫次第で様々な料理に使うことができ、華やかな色と見た目で、パーティー料理にも活躍しそうです。
ロマネスコの原産地は言葉の響きから連想されるようにイタリアなど地中海沿岸のヨーロッパです。
冷涼な気候を好むので、日本では夏の終わりに植えて、涼しくなってから育った花蕾を収穫します。
美しく、ちょっと珍しい野菜として家庭菜園で楽しく育ててみましょう。
ロマネスクの種類
ロマネスコにはいくつかの品種があります。代表的なものをご紹介します。
スパイラル
耐寒性が強く、甘みが強い品種です。
甘味を活かすには加熱時間を短めにします。
ネオ・スパイラル
耐暑性が強い品種です。
夏と秋、年に2回植え付けが可能です。
甘味があり、グラタンやパスタに合います。
春に種を植えると、65~75日で収穫できます。
ダ・ヴィンチ
魚や肉料理のつけあわせに向いています。
生育が早く、植え付けから75~90日で収穫できます。
ミケランジェロ
春と秋の2回植え付けが可能です。
耐暑性に優れ、栽培が比較的容易とされます。
ロマネスコの栽培・育て方
日当たりと風通しの良い場所で育てます。
晩夏に植え付け、寒くなってから育った花蕾を収穫します。
植え付け直後から生育の初期にアオムシなどの害虫被害にあいやすいので注意しましょう。
ロマネスコの育て方情報
分類・形態 | 野菜・一年草 |
---|---|
草丈・樹高 | 50~60㎝ |
開花の時期 | 12月~1月 |
花色 | 黄緑色 |
耐寒性 | やや強い |
耐暑性 | やや弱い |
特性・用途 | 家庭菜園 |
栽培難易度 | 普通 |
栽培スケジュール
植え付け | 8月~9月 |
---|---|
肥料 | 8月~12月 |
開花 | 11月下旬~12月 |
収穫 | 11月下旬~12月 |
栽培に必要な準備・環境
日当たり・置き場所
日当たりが良く、風通しの良い場所が適しています。
プランターで栽培する場合、エアコンの室外機の風が直接あたるような場所は避けましょう。
水やり
土の表面が乾いたら、たっぷりと水を与えます。
株元だけではなく、株全体にしっかりと水やりしましょう。
鉢植えの場合は乾きやすいので注意します。
肥料
植え付けの約2週間前に元肥を施します。
ゆっくりと土中で分解されて効き目があらわれる遅効性肥料を用います。
1㎡あたりに堆肥3kg、化成肥料100gを目安に施します。
その後、化成肥料を追肥として与えます。
苗を植え付け後、20~25日に1回のペースで施します。
また、1週間に1回、水で薄めた液肥を与えると育ちが良くなります。
リン酸を多く含む肥料を与えるとより立派な株に成長します。
用土
有機質に富んだ、肥沃な土を好みます。
プランター栽培の場合、市販の野菜用の培養土で問題なく育ちます。
購入してきてすぐ植え付けできるので、初心者にはおすすめです。
深さ約30㎝、用土が20リットル以上入る、大きめのプランターが必要になります。
地植えの場合、酸性土壌を嫌うので、植え付けの約2週間前には苦土石灰をまいて土壌の酸度を調整します。
1㎡あたり100gを目安に苦土石灰を薄くまき、よく耕します。その後、元肥を施し、さらによく混ぜ合わせます。
連作障害が出やすいので、2~3年間アブラナ科の野菜を植えていない場所を選びましょう。
植え付けの1週間前には幅60~80㎝の畝を立てます。
水はけをよくするため、高めの畝にします。
温度
ロマネスコは15℃~20℃が生育に適した温度です。
日本の気候では春と秋の2回植え付けが可能です。
耐寒性には優れています。
ロマネスコを育てるときのポイント
選び方
ロマネスコは園芸店で苗を購入して育てます。
種から育てることもできますが、発根までの管理が少し大変なので、初心者は苗から育てるのがおすすめです。
苗を選ぶときは、葉に厚みがあって色が濃いもの、根張りや茎がしっかりしているものを選びます。
わきから黄褐色の葉がでていたり、病害虫の跡があるものは避けましょう。
植え付け
8月~9月が適期です。
ロマネスコは低温になると花芽ができやすい性質をもっているので、涼しくなる前の晩夏に苗を植えてしっかり株を育て、気温が下がった秋に花をつけさせます。
植え付け時期が遅くなると、株が育つ前に低温になってしまい、花芽が小さくなってしまうので気を付けます。
春と秋の2回植え付けができる品種は、植え付け期間に幅があるので、初心者向けです。
用土に苗のポットよりやや大きめの穴を掘り、水をたっぷりかけて湿らせてから苗を植えつけます。
葉が大きく育つので株と株の間は40~50㎝とるようにしましょう。根鉢を崩さないように丁寧に植え込み、株がぐらつかないように軽く手で土を固めておきます。
植え付け後はたっぷりと水やりします。
剪定・切り戻し
基本的にロマネスコに剪定作業は必要ありません。
ふやし方
種を採取し、翌年の種まきに使うことができます。
ただし、「交配種」「~交配」「F1」と記された種から育てたものは、翌年その種から同じ特徴をもった株が育たない場合があります。
種を採取する場合は、蕾を収穫せずに花を咲かせ、枯れるまでしばらく放置します。
茶色に変色し、乾燥してから種を採取します。
収穫
品種によって収穫期は多少違いますが、苗の植え付けから3~4カ月後に収穫できます。
花蕾の直径が15~20㎝になったら収穫しましょう。
収穫の際は、根から抜くのではなく、ナイフなどで株元から切り離すようにします。
気を付けるべき病気・害虫
病気
特にありません。
害虫
ヨトウムシ、アブラムシ、アオムシ、コナガに注意しましょう。
殺虫剤・殺菌剤
害虫は見つけ次第駆除します。
ポットから植えつけ直後の生育初期が被害にあいやすいので、可能ならばある程度株が育つまで、防虫ネットで覆ってしまうのも良いでしょう。