1年に何回も開花するブーゲンビリアの育て方のコツ

ブーゲンビリアは、中央アメリカ、南アメリカが原産のオシロイ花の仲間です。
元々はブラジルで発見されましたが、現在は東南アジアや暖かい国の街路樹としてもよく見かけます。
1年間に2~4回花を咲かせるため、何回も長く楽しめるのがブーゲンビリアの魅力のひとつです。
病害虫もつきにくく、初心者にもおすすめの植物です。

それでは、ブーゲンビリアの育て方とコツをみてみましょう。

ブーゲンビリアの基本情報

学名Bougainvillea
英名Bougainvillea
科名オシロイバナ科( family of Nyctaginaceae)
属名ブーゲンビリア属
原産地中央アメリカ・南アメリカ

ブーゲンビリアの特徴

世界でもっとも暖かい場所の一つ、ブラジルのリオデジャネイロで、フランス人の植物・博物学者であるフィリベール・コメルソン(Philibert Commercon)によって、ブーゲンビリアは発見されました。
フィリベール・コメルソンは船で世界中を周り、様々な植物を発見、研究しました。

フィリベール・コメルソンは、友人の航海者・探検家であるルイ・アントワーヌ・ド・ブーガンヴィル(Louis-Antoine de Bougainville)からこの花の名前を付けました。

そして、19世紀初め頃にブーゲンビリアはヨーロッパに渡ったと言われています。

日本では、宮崎県に「宮崎ブーゲンビリア空港」という愛称の空港があります。
ブーゲンビリアは宮崎県観光局会長であった岩切章太郎氏が普及に努めた花です。

情熱と南国のイメージを持つことから、空港の名前としてつけられました。
その愛称のとおり、宮崎県にはブーゲンビリアがあちこちに咲いています。

ブーゲンビリアの種類

ブーゲンビリアの花は枝先にかたまって咲く性質があります。
この様子が手のひらサイズのポンポンが付いているようにも見えます。

3枚の花びらのように見える色の付いているところは、葉の一種、苞(ホウ)と呼びます。

そして、その苞の中心にある白い小さな花が、本当の花の部分なのです。
色のついた苞の手触りは薄く紙のような質感をもっています。

ブーゲンビリアにはいくつかの品種があります。
苞(ホウ)が3枚のものと、6枚のもの、班があるもの、班がないものがあります。

また、一重咲きのものと、八重咲の品種もあります。

下記にいくつかの品種をご紹介します。

エリザベスアンガス

ピンクがかった紫色で、寒さに比較的つよい品種です。

サンデリアナ

こちらもピンクがかった紫色で、寒さに強い品種です。
エリザベスアンガスに似ていますが、こちらの方が少し小さめのお花です。

ブライダルブーケ

薄緑からうすピンクにグラデーションする八重咲の品種です。
その名のとおり、結婚式や新婦さんにぴったりの豪華さがあります。

カリフォルニアゴールド

鮮やかな黄色が綺麗な品種です。
小ぶりの花ですが、黄色の色持ちが長い品種です。

ブーゲンビリアの栽培・育て方

ブーゲンビリアは、南国の街路樹や庭木として植えられている丈夫な植物です。
特別な手入れも必要なく、元気に育ちます。

蔓性の植物で1年に3~4回咲きます。色は30~50種類以上あります。
鉢植えでも地植えでもどちらでも可能です。但し、冬場にマイナスになるような寒い地域は地植えではなく、鉢植えにするとよいでしょう。

ブーゲンビリアの育て方情報

分類・形態熱帯植物・つる植物
草丈・樹高0.5~3m
開花の時期4月~5月・10月~11月
花色白・赤・ピンク・黄色・オレンジ
耐寒性やや弱い
耐暑性強い
特性・用途初心者でも育てやすい・開花期が長い・つる性
栽培難易度普通

栽培スケジュール

植え付け4月~5月
植え替え4月~5月
剪定6月
肥料鉢植え:4月~10月・庭植え:5月~9月
開花4月~5月・10月~11月

栽培に必要な準備・環境

それでは、ブーゲンビリアが元気に育つための環境をみてみましょう。

日当たり・置き場所

ブーゲンビリアは、日当たりの良い場所を好みます。
たくさんお日様にあててあげてください。

水やり

土の表面が白くなって乾いたら、水をたっぷりとあげてください。
受け皿の水は必ずすてて下さい。

もし、水のやりすぎで葉っぱが黄色くなって落ちてきたら、根腐れをしているかもしれません。

極端な乾燥も枯れの原因となります。

肥料

肥料は2か月に1回、園芸店で売られている緩効性肥料をあたえてください。

分量をまもり、肥料の与えすぎには注意をしてください。

用土

草花用の培養土を使ってください。
自分で配合する場合は赤玉7:腐葉土3の割合で混ぜてください。

地植えにする場合も粘土質の場所は避けて、水はけのよい場所を選びましょう。

温度

あたたかい気温を好みますが、寒さにも比較的強く0度くらいまでなら耐えられます。

冬越し

気温が0度までなら、冬越しができます。
鉢植えの場合、11月後半になったら家の中に取り込みましょう。

地植えにしている場合、寒さからまもる為にバークチップなどでマルチングしてください。

冬場は水やりは控えめにし、あげる場合は1ヶ月に1回か2回、1回につき50-100CC程度にしてください。

水をたくさんあげると、土が冷たくなり根が弱くなり枯れの原因となります。

冬場は葉は落ちますが、気温が20度以上あたたかくなってからまた葉や芽が出てきます。

冬場は休眠していますので、肥料はあげないください。

ブーゲンビリアを育てるときのポイント

植え替え

植え替えは2-3年に1度にします。
春に花が咲き終わって散ったあと気温が20度以上の時にします。

花咲いている時に植え替えをすると、ストレスがかかってしまします。5月~6月中ば頃の花のない時期がよいでしょう。

ブーゲンビリアの枝にはトゲがあります。必ず園芸用手袋をつけて作業しましょう。

植え替え手順は以下の通りです。

  1. 支柱や行燈からほぐします。
  2. 株を抑えて、鉢を逆さにしてゆっくり出します。鉢の底をたたくと、土ごと出てきます。
  3. 鉢の底に底石をしき、土をいれます。この時、株についている古い土が新しい鉢の上までの高さになるように、新しい鉢に土をいれて下さい。
  4. 元々の土はつけたまま、ひとまわり大きい新しい鉢に株を入れます。根を傷めないように、注意してください。
  5. 周りに土を入れます。たまにトントンと鉢をたたき、土を入れてください。
  6. 土が入ったら、フェンスや支柱を土に立てます。
  7. 枝をフェンスや支柱に留めながら、巻き付けていきます。この時、支柱に針金をしっかり留め、枝側の針金は輪にして余裕を持たせてください。

枝が太くなるために、余裕が必要です。
枝をきつく縛ってとめないようにしてください。

誘引する時は支柱に対して、上に巻き付けるのではなく、支柱やフェンスの周りにぐるっと巻くようにするとよいでしょう。

剪定

6月~8月が剪定に適した時期です。

飛び出ている枝や邪魔な枝はどんどん切ってください。
切ることによって、また新しい枝が出てきます。

ふやし方(株分け・挿し木・葉挿し等)/ 収穫

ブーゲンビリアは挿し木で増やすことが可能です。
剪定の時に枝を20cm程度の長さで切ります。
切り口は斜めに切ってください。

下の葉っぱは取り除き、上の葉3~4枚を残します。
清潔な赤玉土やパーライトに挿し木をさします。
明るい日陰に置き、土が乾いたら水をあげます。

気を付けるべき病気・害虫

あまり病害虫がつきませんが、稀にアブラムシがつく事があります。
頻繁に枝先などを確認しましょう。
早期に発見すると退治も簡単です。

殺虫剤・殺菌剤

万が一アブラムシがついてしまった場合は、ニームオイルや牛乳スプレーで退治しましょう。
または、古い歯ブラシやティッシュで取り除いてください。