ツユクサは日本で道端などでも見かけられ梅雨から夏にかけて咲く植物です。
朝に花を咲かせて昼にはしぼんでしまうその儚い様子からツユクサは万葉集でもおおく使われています。
そんな日本人にもなじみ深いツユクサですが、実は食用としても知られており、アクが無く食べやすいことが特徴です。
今回はツユクサの育て方や栽培のコツ、そして種類や花言葉と食べ方についてもご紹介します。
ツユクサの基本情報
学名 | Commelina communis |
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英名 | day flower |
その他別名 | 露草・鴨跖草・青花・蛍草・月草・帽子花 |
科名 | ツユクサ科 |
属名 | ツユクサ属 |
原産地 | 東アジアの温帯 |
ツユクサの特徴
ツユクサは道端や山で見かけることのできる山野草の一つです。
直径1.5~2㎝ほどの鮮やかな青い色をしていることが特徴です。
花弁は大きいものが2枚でありその下に白色の小さい花弁が1枚、中心に長い雌しべが2本、更に短く黄色い雄しべが4本生えています。
ツユクサの名前の由来
ツユクサの名前の由来は、「露を帯びた草」「良く露を保つ草」「朝露が乾ききらない短い時間に花がしぼむ様子」など諸説あると言われています。
万葉集では「月草」と呼ばれ季語としても使用されていました。
学名の「communis」は、オランダの植物学者であるヤン・コメリンとその甥で同じく植物学者であるカスパル・コメリン、そしてもう一人コメリン家に早死にした子どもとの3人の兄弟を、ツユクサの鮮やかな2枚の花びらと1枚の目だたない花びらに例えてつけられたと言われています。
ツユクサの花言葉
ツユクサの花言葉である小夜局や恋の心変わりなどはツユクサの昼にはしぼむ儚い様からつけられたと言われています。
尊敬と言う花言葉は聖母マリアの服の色とツユクサの花の色が同じであることからつけられたといわれています。
また懐かしい関係というのは、学名の由来であるコメリン兄弟にちなんでつけれらたと言われています。
ツユクサは食べることもできる
ツユクサはクセもアクもないため、野菜として食べることもできます。
調理法も新芽をサラダにして使用したり、また花の部分もサラダや料理の彩りに使う事もできます。
その他に普通の野菜と同様にお浸しや和え物、炒め料理にも利用することができるのでぜひ試してみてください。
ツユクサの種類
東アジアや日本を原産地とするツユクサは、種類も多いことで知られています。ツユクサの代表的な品種をご紹介します。
オオボウシバナ
ツユクサの変種であり、別名「青花」と呼ばれることが多いです。
滋賀県草津市で市の花に指定されています。
草丈1m、花の直径4~5㎝ほどの大型の品種であり、以前は友禅染めの染料にも使用されていました。
シロバナツユクサ
ツユクサに似ており、花の色は白いことが特徴です。
一度花が白く変異するとその性質は変わらず種にも受け継がれるため、同じ場所に毎年白い花が咲きます。
ホソバツユクサ
茎は下を這うように伸び草丈30~50㎝ほどになります。
葉裏、葉鞘、苞に長い毛が生えています。
ケツユクサ
ツユクサに似ており、苞葉の脈状に長く白い毛が生えています。
苞だけでなく葉裏にも毛が生えたものを「オニツユクサ」「ヒメオニツユクサ」と呼びます。
マルバツユクサ
茎は地を這うように伸び草丈10~50㎝ほどに成長します。
花びらは3枚とも青から淡青色で、稀に白い花もあります。
花の直径は1㎝程度で長さ3~4mmの大型の種ができます。
ツユクサの栽培・育て方
ツユクサは生育旺盛のため、肥糧など管理を必要とせずどんどん増えます。
山野草として道端や山道などいたるところに生えているためツユクサの開花時期に合わせて散歩のついでに探してみてはいかがでしょうか?
また、庭などで地植えする際は繁殖力が強いので植える場所を選ぶようにしましょう。
ツユクサの育て方情報
分類・形態 | 草花・一年草 |
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草丈・樹高 | 15~50㎝ |
開花の時期 | 6月~9月 |
花色 | 青紫 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | やや強い |
特性・用途 | 観賞用・食用 |
栽培難易度 | 優しい |
栽培スケジュール
植え付け | 4月~6月 |
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肥料 | 7月~9月 |
栽培に必要な準備・環境
日当たり・置き場所
道端に自生する植物ですので、特に場所は選びませんが、鉢植えの場合は日当たりのいい場所におくとよいでしょう。
地植えの場合は繁殖力が強いため、一度植えるとどんどん増えていくため育てる場所を選びましょう。
水やり
鉢植えの場合は土が乾燥していたら鉢底から水があふれるほどたっぷりのお水をあげましょう。
地植えの場合は特に水やりは必要ありませんが、夏場など日照りが続く日は水をあげてください。
ただし、水をあげ過ぎると根腐れを起こすので、土が乾燥してからあげるようにしましょう。
肥料
特に必要としませんが、花つきをよくしたり花の色を鮮やかにしたい場合は肥料をあげることをおすすめします。
鉢植えの場合は春と秋の時期に緩効性の肥料を月一回あげましょう。
液体肥料であれば月に3~4回施してください。
用土
特に選ぶ必要はありませんが、水はけのよい用土を使用するとよりよいでしょう。
市販の用土やまた自分で配合する場合は腐葉土や堆肥を約3~4割ほど混ぜて準備しましょう。
ツユクサを育てるときのポイント
選び方
珍しい品種を除いてはツユクサは苗の販売はされていません。
種まき
種は4月~5月頃にビニールポットや育苗箱でもいいですし、そのまま地面にばらまいても育ちます。
種をばらまいたあとに上から土をかぶせず、種が流れない様にそっと水をあげましょう。
植え付け・植え替え
苗を購入した場合は、時期を選ばず一年中植え付けることができます。
またツユクサは一年草のため植え替える必要はありません。
増やし方
ツユクサは挿し木または種まきで増やすことができます。
種の場合はツユクサの花がらを摘まずにそのまま放置することで秋ごろになると種を収穫することができます。
その種を風通しのよい場所で保管し、来年の4月~5月頃に種まきをしましょう。
挿し木の場合は、4月上旬から6月頃にツユクサの節を約4節分切取り、切り取った芽の先を水に差して毎日水を取替えましょう。
その際に水に初芽促進剤を混ぜておくと早く根が出ます。
茎から根が出てきたら用土に植え付けをして、しっかり根付くまで日陰で管理してください。
気を付けるべき病気・害虫
病気
モザイク病にかかることがあります。
モザイク病とはアブラムシなどの虫を媒体にしてウイルスに感染し発症します。
葉の表面にモザイクのような模様が出ることが特徴です。
感染したらその部分を切取り対処しましょう。
肥料の与えすぎが発症の原因となりますので、肥糧のあげ過ぎには注意しましょう。
殺虫剤・殺菌剤
特にありません。