花色のバリエーションが多いエキナセアを育ててみよう!【特徴と栽培管理】

花びらのグラデーションが美しいエキナセアは、夏の暑い日差しにも負けない強さが魅力の植物です。

夏から秋にかけて、非常に開花時期が長く育てやすいのもおすすめの一つであるエキナセア。

近年では、黄色や紫色だけでなく赤や桃色、白など様々な花色が生み出されていて、夏のガーデニングに取り入れやすい植物になっています。

そんなエキナセアの特徴や育て方について詳しくご紹介します。

エキナセアの基本情報

学名Echinacea purpurea
英名Echinacea
その他別名ムラサキバレンギク、紫西洋菊
科名キク科
属名エキナセア属
原産地北アメリカ

エキナセアの特徴

花の真ん中がこんもりと膨らんだエキナセアは、はっきりした花姿が印象的な植物です。

ドライフラワーとしても愛されていて、乾燥すると中心部だけが残ってとても可愛らしいシルエットになります。

エキナセアという花名の由来は、ギリシア語のハリネズミという言葉からきています。

花の中心部が茶色くとげとげとしていて、ハリネズミのようだったことから付いた名前です。

別名のムラサキバレんギクという和名は「紫馬簾菊」という漢字が当てられています。

「馬簾」は江戸時代の火消しが使っていた纏(まとい)のことです。

細長い花びらが垂れ下がって咲いている様子が、この纏に似ていたことからついた和名です。

また、エキナセアは原産国の北アメリカではハーブとして昔から用いられてきました。

花言葉の「あなたの痛みを癒します」や「やさしさ」、「深い愛」はハーブとして使われてきた歴史から連想されたものです。

現在の日本で流通しているエキナセアは観賞用として品種改良されたものなので、ハーブとしての効能は少ないようです。

エキナセアの種類

エキナセアは花色の豊富さだけでなく、草丈も高性のものから矮性のものまでバリエーションに富んでいます。

最もメジャーな品種は、花色が多いパープレア種、傘のように花びらが垂れ下がる黄色のパラドクサ種、矮性のアングスティフォリア種に大別されます。

パープレア種

代表的な紫色の花や、黄色、白、緑、茶色など幅広い色が楽しめる品種です。

花の形も、花びらが短いものや八重のものなど珍しい品種が多く、現在も品種改良が盛んな系統です。

高性の品種が多く、お庭のアクセントになります。

パラドクサ種

鮮やかな黄色い花弁を垂れ下がるようにつける印象的な品種です。

中心部が高い位置にあるので、ドライフラワーにしても見栄えがあります。

アングスティフォリア種

矮性の品種で、草丈は30cmから60cmほどです。

短い花弁と大きな中心部が目立ち、紫色の花が多く分類されています。

エキナセアの栽培・育て方

エキナセアの栽培のポイントは、日当たりと水はけを良くすることです。

耐寒性と耐暑性があるエキナセアは、植えっぱなしでも丈夫に育つことができます。

冬になると地上部が枯れてしまうので、短くカットしておけば毎年新しい茎を伸ばします。

ほとんど手がかからないので初心者でも育てやすい植物です。

エキナセアの育て方情報

分類・形態宿根草/ハーブ/草花
草丈・樹高30cm~100cm
開花の時期6月~8月
花色赤、ピンク、オレンジ、黄色、グリーン、ベージュ、白
耐寒性強い
耐暑性強い
特性・用途花壇、鉢植え、切り花、ドライフラワー、開花時期が長い、ハーブ
栽培難易度普通

栽培スケジュール

植え付け4月~5月、10月
植え替え4月~5月、10月
肥料5月~6月、10月
開花6月~8月

栽培に必要な準備・環境

日当たり・置き場所

太陽の光が大好きなエキナセアは、日当たりのよい場所で管理しましょう。

比較的、草丈が高くなる品種が多いのでガーデニングに取り入れる場合は庭の奥に配置して間隔も開けるようにすると丈夫に育ちます。

鉢植えの場合は、風などで倒れないような場所で管理しましょう。

水やり

乾燥に強いので、庭植えでは植え付けの時以外は特に水やりを必要としません。

鉢植えの場合は、土の表面が乾いたらたっぷりと与えましょう。

生育期の初夏には少し多めに水やりをしましょう。鉢植えでは、冬場も忘れないように与えます。

過湿で病気になることがあるので、葉に水がかからないように注意しましょう。

肥料

肥料を与えすぎると弱ってしまうので、春と秋に油粕や有機肥料などを与えるだけで十分です。

用土

水はけがよい土を好むので市販の培養土か、赤玉土と腐葉土を配合したものを用いましょう。”

エキナセアを育てるときのポイント

植え付け・植え替え

春か秋に腐葉土を混ぜ込んで水はけをよくした用土に植え付けをします。

花壇に植えるときは、土壌の酸性度を中和するために事前に石灰を混ぜ込んでおきましょう。

成長が旺盛で根詰まりをしやすいので、鉢植えで育てているときは毎年植え替えを行いましょう。

植え替え時には、根をほぐしておくとより丈夫に育ちます。

植ふやし方

株分けで増やすことができます。

数年、植えたままにしておくと生育が衰えてくることがあるので株分けによって新しい株を増やしていきましょう。

スコップやハサミで大きく育った株をカットして、新しい場所に植え付けましょう。

植え付けてからは、乾燥や過湿に注意しながら管理します。

また、種まきで増やすこともできます。

秋に乾燥した中心部を残したまま、種ができるのを待ちましょう。

袋やネットをかぶせておくと、種を採取しやすいです。

剪定・花がら摘み

エキナセアは花が終わると茶色くしおれて見栄えが悪くなってしまうので、茎の根元からカットしましょう。

気を付けるべき病気・害虫

病気

うどんこ病、灰色かび病は過湿によって発生しやすいので特に梅雨の時期は注意しましょう。

害虫

ガの幼虫が茎や葉につきやすいので、注意して観察しましょう。

殺虫剤・殺菌剤

病気にはカリグリーンを、害虫にはオルトラン粒剤を用いましょう。