家庭菜園の定番夏野菜!きゅうりの育て方【栽培方法・プランター栽培】

サラダや酢の物、漬物など毎日の食卓に欠かせない野菜、きゅうり。

比較的育てやすく、初心者向きの定番夏野菜です。

プランターでも栽培できますので、ぜひ自分で育てて、もぎたてきゅうりのおいしさを味わいましょう。

きゅうりの基本情報

学名Cucumis sativus L.
英名Cucumber
その他別名唐瓜(からうり)
科名ウリ科
属名キュウリ属
原産地インド北部・ヒマラヤ山麓

きゅうりの特徴

スーパーで年中手に入るきゅうりですが、本来収穫の時期は暑い夏。

水分たっぷりのきゅうりは暑い季節が最もおいしく感じられます。

とりわけ、家庭菜園でとれるもぎたてのきゅうりは非常にみずみずしく、おいしさは格別です。

きゅうりは95パーセント以上が水分から成り、収穫から時間がたてばたつほど水分が失われます。

自分で育てれば、収穫したての一番新鮮なきゅうりを味わえますので、ぜひチャレンジしてみましょう。

きゅうりは比較的育てやすく、家庭菜園の初心者にぴったりの野菜です。

5月上旬頃に苗を植えれば、ぐんぐん成長して、夏の間次々と実が収穫できます。

成長スピードが速く、苗を植えてから収穫までの期間が短いのが嬉しいところです。
水切れと肥料切れに注意して、大収穫を目指しましょう。

きゅうりの種類

きゅうりには様々な品種があり、分類方法も多様ですが、実の成り方の違いから3種類に分けられます。

育てやすさや栽培期間が変わってきますので、ご紹介します。

節成り

親づるの各節に雌花がつきます。

基本的にわき芽を伸ばさず、親づるのみを伸ばして育てます。

親づるにしか実がつかないので、収穫量は少ないですが、親づるを支柱に這わせてまっすぐ上に伸ばしていくだけなので、栽培スペースが狭い場合に適しています。

品種例はフリーダム、スタートダッシュ節成り、北進、湧泉、ラリーノなどです。

飛び節成り(地這い系)

親づるに花芽がつきにくく、子づるに実がつきます。

子づるの実は節ごとにつくわけではなく、飛び飛びにつきます。

古くから育てられている地這い系のきゅうりがこの性質をもっています。

子づる、孫づると複数のつるを伸ばす必要があるので、栽培スペースと収穫までの時間が必要です。

株が大きく育つので栽培期間が長く、実が沢山取れます。

品種例は夏太郎、霜知らず地這い、奥武蔵地這いなどです。

中間型

節成り性と飛び節成り性の中間の性質をもっています。

親づる、子づるの両方に実が成ります。親づるには、飛び飛びに花がつきます。

子づるは1節目に必ず花がつきますが、その先にはあまりつかないので、葉2枚を残して摘心します。

孫づるは放任し、邪魔になれば摘心します。

品種例はVアーチ、うま旨キュウリなどです。

きゅうりの栽培・育て方

きゅうりは日当たりと水はけの良い場所で育てます。

収穫までの作業の流れは、おおまかに以下の通りです。

  1. 土を用意する
  2. 苗を準備する
  3. 植えつける
  4. 支柱を立てる
  5. 摘心する
  6. 追肥する
  7. 収穫

きゅうりの成長記録【写真付きで解説】

「育てるときのポイント」でそれぞれ詳しく説明していきます。

きゅうりの育て方情報

分類・形態野菜・一年草
草丈・樹高2m以上(つるの長さ)
開花の時期6月~8月
花色黄色
耐寒性弱い
耐暑性やや強い
特性・用途家庭菜園
栽培難易度普通

栽培スケジュール

植え付け4月~5月
剪定適宜
肥料6月~8月
開花6月~8月
収穫6月~8月

栽培に必要な準備・環境

日当たり・置き場所

日当たりと風通し、水はけの良い場所で育てます。

プランター栽培の場合、エアコンの室外機の風が当たる場所は避けましょう。

水やり

きゅうりは実のほとんどが水分なので、水やりが重要です。

苗の様子をよく観察し、水のやり過ぎ、水切れがおきないよう注意します。

苗の植え付け直後は、しっかりと水やりして根付かせましょう。
その後、プランター栽培の場合は、土の表面が乾いたら、鉢底からあふれ出るほど、たっぷり水やりします。

地植えの場合、雨の様子を見ながら、3日に1回程度水やりします。
収穫が近づくと乾燥しがちなので、しっかり様子を見ながら水を与えます。

きゅうりは夏野菜です。
プランター、地植えともに真夏の水やりは朝の涼しいうちに行いましょう。

晴天が5~7日以上続く場合は、葉の裏にも水を与えます。
ハダニなどの害虫被害を予防できます。

きゅうりの実が大きくなる時期に水分が不足すると、実が曲がったり変形したりします。

肥料

植え付けの際、用土に元肥を施します。
その後、植え付けから2週間後をスタートに、栽培期間中何度か追肥を行います。

株元に化成肥料を施し、土寄せしましょう。

用土

水はけがよく、有機質に富んだ土が適しています。

プランター栽培の場合、市販の野菜用培養土で問題なく育ちます。
あらかじめ肥料が混ぜてあるので、元肥を入れる必要がありません。

きゅうりの根が浅く広く伸びるので、ある程度の大きさのプランターが必要です。
目安は、1株あたり20リットル以上、深さ30㎝~です。

地植えの場合、よく耕し、苗の植え付け約2週間前に1㎡あたり100gの苦土石灰を施し、土中の酸性度を調整します。

1週間前には1㎡あたり2㎏の堆肥と100gの化成肥料をすき込みます。
作った畝(うね)にマルチをしておけば、地温の上昇を防ぎ、雑草を抑制、また泥はねを防ぐことができます。

連作障害が出るので、2年以上きゅうりを栽培していない場所に植えましょう。

温度

夏の暑さには比較的強いです。

生育の適温は20~25℃です。
寒さには弱く、7℃を下回ると生育が止まります。

きゅうりを育てるときのポイント

土を用意する

「用土」の欄を参照してプランターあるいは畑を準備します。

苗を準備する

選び方

4月中旬~5月中旬、きゅうりの苗が出回ります。

葉に厚みがあり、緑色が濃く全体に元気なもの、茎にある節と節の間が狭く、間延びしていないものを選びます。
葉や茎に病害虫の跡がないかどうかも確認しましょう。

種まき

きゅうりは種から育てることもできます。

直径9㎝のポットを用意し、培養土を入れます。

直径3㎝、深さ1㎝ほどの穴を作り、きゅうりの種を2~3粒、重ならないようにまきます。

5mm~1㎝程度土で覆ったら、軽く押さえて水をたっぷり与えます。
4~5日で発芽するので、子葉が出てきたら2本残すように間引き、さらに本葉が出てきたら1本に間引きます。
本葉が3~4枚出たら、用土に植え替えることができます。

植え付ける

プランター栽培の場合、プランターの用土に苗と同じ程度の穴を開け、根鉢を崩さないよう注意して植えつけます。

定植前にポットごと水につけて吸水させておくとより良いでしょう。
茎が折れないよう、小さめの仮支柱を立てて、麻ひもなどで緩めにくくります。

植え付け後は根が張るまで、約1週間程度はしっかり水やりします。

地植えの場合、畝(うね)に株間50~60㎝程とって植えつけます。
根を切らないように丁寧に扱います。

風で茎が折れないように、仮支柱を立て、麻ひもなどで誘引します。
植え付けの後はしっかり水やりをします。

支柱を立てる

どんどん伸びるきゅうりのつるを誘引するため、支柱を立てます。

2mほどの支柱を合掌に組んで立てるか、一列に組んで立てます。

ネットを張ると、ツルが自然と巻き付き、誘引の手間が省けます。
親づるがしっかりと支柱にからみつくまでは、麻ひもなどで緩く結んでこまめに誘引しましょう。

摘心する

生育の初期段階で栄養が根にしっかり行くよう、本葉の5~6節までは脇から出る子づるの芽を摘み取ります。
それ以降の節の脇芽は子づるとして残しますが、子づるも雌花がついたらその先についている葉を2枚残して摘心します。

また、親づるは支柱の高さまで伸びたらつるの先端を摘み取ります(摘心)。
こうすることで新しい子づるが出るので、収穫量が増えます。

収穫が始まるころ、風通しを良くするため、また光をしっかり当てるために、不要な葉を取り除き整理しましょう。
根元付近の古い葉を取り除き、すっきりとさせます。

また、病害虫のある葉を見つけたら、すぐに取り除きます。

追肥する

植え付けから2週間後に1回目の追肥を行います。
その後、2週間に1回のペースで追肥していきます。

プランターの場合、栽培終了までの間追肥を続けます。
1回につき一株あたり10gほどの化成肥料を与えます。

プランター栽培は肥料が水で流れやすいので、肥料切れに注意します。

地植えの場合、1回目の追肥の後、2週間後に2回目(実の収穫が始まるころ)の追肥、さらに2週間後に3回目(株に勢いがなくなってくる頃)の追肥を行います。

収穫

最初になった実は株の成長のために小さいうちに収穫します。

その後は、実の長さが20㎝前後になったら、すぐに収穫しましょう。
きゅうりは花が咲いてから、約1週間で収穫できます。

1日で約3㎝も成長するので、取り忘れているとすぐにびっくりするほど大きなきゅうりになってしまいます。
他の実に養分を送るためにも、よく観察して、こまめに収穫しましょう。

気を付けるべき病気・害虫

病気

うどんこ病、つる割病、べと病などに注意が必要です。

うどんこ病は、葉の表面にうどん粉のような白いカビがつきます。

つる割病は、最初下葉が黄化して萎れます。
やがて株全体に勢いがなくなり、地際の茎が黄褐色に変色、ヤニが出たり縦の割れ目ができ、カビが生えます。

べと病は、カビが原因で、葉に黄褐色の斑点があらわれます。

害虫

アブラムシ、ハダニ、ウリハムシに気を付けましょう。

殺虫剤・殺菌剤

うどんこ病は、症状が出た葉をすぐに取り除き、処分します。

つる割病の予防には、連作を避け、接ぎ木苗を使います。
べと病の予防には、泥はねが葉にかからないように、マルチングしたり、下の方の葉を取り除きます。

アブラムシ、ハダニ対策として、水やりの際、葉の裏に水を当てて流します。
ウリハムシは見つけ次第、捕殺します。

数が多い場合は、「マラソン乳剤」などを散布します。