切り花としてもお馴染みのトルコキキョウ。結婚式のブーケや冠婚葬祭のアレンジメントとしてもよく使われています。品種改良が進み、八重咲のゴージャスなものや、花びらにフリルがあるタイプなど種類が豊富なことから様々なシーンで使われることの多いお花です。
今回は、そんなトルコキキョウの育て方をご紹介します。種まきやお花を長く楽しめる方法もお伝えするので、是非参考にしてみてください。
トルコキキョウの基本情報
学名 | Eustoma grandiflorum |
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英名 | Lisianthus、 Prairie gentian |
その他別名 | トルコギキョウ、リシアンサス、ユーストマ |
科名 | リンドウ科 |
属名 | ユーストマ属(トルコギキョウ属) |
原産地 | 北米、メキシコ北部 |
トルコキキョウの特徴
トルコキキョウは、その名前からトルコ原産の花かと思いますよね。しかし、原産地は北米やメキシコです。トルコ人が頭にまいているターバンが、トルコキキョウの蕾の姿に似ていることからこの名前がつけられたそうです。また、キキョウの花に似ているため、キキョウという名前がついていますが、実はリンドウ科に属した、リンドウの仲間です。トルコでもなく、キキョウでもないなんて紛らわしい名前がつけられてしまいましたね。でも、用途が多くとっても素敵なお花です。
また、トルコキキョウは8月18日の誕生花でもあります。色ごとに異なる花言葉もついています。紫は希望、青はあなたを想う、白は思いやり、ピンクは優美などがトルコキキョウの花言葉です。素敵な花言葉がついたトルコキキョウは、プレゼントにもピッタリです。
トルコキキョウの種類
品種改良とともに種類が増えたトルコキキョウ。品種によってはバラやカーネーションのようにも見えるものもあります。
一重咲き
ピンクフィズ
一重咲きの軽やかで細いラインが美しい品種です。
その他の一重咲きの品種: ブルーフィズ、セシルピンク、シャララ
八重咲き
エクローサ
バラを超えるという意味を持つエクローサは、ほんの少しのフリルとトルコキキョウらしいカップ型のお花の品種です。
その他の八重咲きの品種: ピッコローサスノー、ロジーナ、アンバーダブルマロン
フリル系
ボヤージュ
花弁のふちにフリルが入っている品種です。花輪が大きく、花付きも良い品種です。
その他のフリル系の品種: セレブ、セレブプリンセス
トルコキキョウの栽培・育て方
トルコキキョウは発芽と苗作りが難しい植物です。苗作りには時間がかかりますが、苗が出来てしまえば、花を咲かせることは難しくはありません。
一度花が枯れてしまっても、茎のもとから切るとまた新芽が出てきて花をつけます。お手入れをすれば、2回開花し長く楽しめるので挑戦してみてください。
トルコキキョウの育て方情報
分類・形態 | 草花・一年草 |
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草丈・樹高 | 20cm~120cm |
開花の時期 | 3月~6月 |
花色 | 紫、ピンク、白、緑、黄色、複色 |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | やや弱い |
特性・用途 | 切り花 |
栽培難易度 | 普通 |
栽培スケジュール
植え付け | 3月~5月 |
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植え替え | なし |
剪定 | 5月~7月、9月~10月 |
肥料 | 1月~6月、9月~12月 |
開花 | 5月~7月、9月~10月 |
収穫 | 10月~11月(種の採取) |
栽培に必要な準備・環境
では、トルコキキョウを育てるのに必要な物と環境をご紹介します。
必要な物
- 種まき用のピートバンとピートバンが入る容器
- セルトレイ
- トルコキキョウの種
- スコップ
- プランター・鉢
- 底石
- 底石ネット
- 液体肥料
日当たり・置き場所
トルコキキョウは日当たりの良いところを好みます。発芽までは明るい日陰で管理し、発芽後は日当たりの良い場所に少しずつ移動してください。まだ小さい苗を日陰から急に日当たりのよい場所に出すと弱ってしまいます。少しずつ日が当たるように調整してあげましょう。
水やり
トルコキキョウを育てる重要なポイントは水やりです。種まきから蕾がつくまでは、土は常に湿っているようにしてください。しかし、その後は加湿を好みません。蕾がついてからは、土の表面が乾いたらたっぷりと水やりをするようにしましょう。
水やりをする際には、花に水がかかると花が弱ってしまいます。花に水をかけないように、株の根本に水やりをするようにしてください。
肥料
1月から6月: 2ヶ月に1回、緩効性の肥料をあたえてください。
10月から12月: 1ヶ月に2回、液肥を1,000倍にうすめてあたえてください。
用土
水はけが良く、且つ水持ちもほどよくある用土を使いましょう。市販の草花用の培養土を使うとよいでしょう。自分で配合する場合は、小粒の赤玉土と腐葉土を7:3の割合で混ぜてください。
温度
発芽に必要な温度は20度前後です。栽培に適した温度は、15度~25度です。
トルコキキョウを育てるときのポイント
次に、トルコキキョウを育てる時のポイントをご説明します。種まきから育苗は少々難易度が高いので、細かく手順を説明します。時間はかかりますが、ポイントをつかんで、育ててください。
種まき
- ピートバンを水で湿らせ、種をパラパラと撒きます。種の上に土は被せないでください。
- 容器に水を入れて下から吸水させて、常に土が湿っている状態にしましょう。発芽前に乾燥すると、発芽しません。
- 2週間前後で発芽します。
- 本葉が出てきたらセルトレーに移植します。セルトレーに用土を入れて、水で湿らせます。
- 苗を1本ずつゆっくりと取り出し、セルトレーに1本ずつ植えます。苗はまだ小さいため、お箸を使って作業をするとやりやすいでしょう。根が切れないように注意しましょう。
- 本葉が出てきたら、1週間に1度は液肥を与えましょう。苗がまだ小さいうちは、水を切らさないようにします。
植え付け
- 本葉が5枚~6枚ほどになったら植え付けます。
- プランターや鉢に底石ネットをしき、底石を入れます。
- 用土を入れ、苗を植え付けます。株と株は15cm前後の間隔があくようにしましょう。
- 蕾がつくまでは、水は多めにあげてください。また、雨がたくさんあたるような場所はさけて管理してください。
剪定・切り戻し
トルコキキョウは花が咲き、5節から6節まで育ち花が枯れたら、先端を切ります。そうすると、脇芽が出てきてまた花をつけるようになります。一度咲いたら終わりではなく、長く楽しめるので必ず行いましょう。
ふやし方/ 収穫
トルコキキョウは一年草のため、秋に花が咲いたあとは枯れておしまいです。種の採取は難しいですが、花が枯れてから2か月以上たつと種が収穫できます。
気を付けるべき病気・害虫
灰色かび病にかかったり、アブラムシ、ヨトウムシ、アザミウマ、ナメクジの被害にあう事があります。
灰色かび病は、しおれた花を放っておくとカビが発生し病気にかかります。しおれた花や葉を見つけたら、早めに取り除きましょう。
殺虫剤・殺菌剤
アブラムシは見つけ次第、ティッシュや手で取り除きましょう。ヨトウムシ、コナガ、アザミウマは家庭用園芸GFオルトラン粒剤で対処しましょう。ナメクジはナメクジ用の駆除剤を使うか、ビールを使う方法もあります。浅い容器にビールを入れて、被害がある植物の近くに置いておくと、ナメクジが引き寄せられて来るので捕獲して駆除します。