春の訪れを知らせる甘い香りが魅力の沈丁花【特徴とふやし方】

三大香木に数えられる沈丁花は、春のあたたかな日差しに甘い香りを漂わせます。
香りだけではなく、常緑の葉と茎の先に手まりのように集まったピンク色や純白の花が印象的な沈丁花。

室町時代に日本に渡来してから、長く日本人に愛されてきました。
耐寒性と耐暑性がある沈丁花は剪定の手間も少なく初心者にも育てやすい植物なので、ぜひガーデニングに取り入れてみてください。

沈丁花の基本情報

学名Daphne odra
英名Daphne
その他別名輪丁花(リンチョウゲ)・瑞香(ズイコウ)
科名ジンチョウゲ科
属名ジンチョウゲ属
原産地中国

沈丁花の特徴

常緑低木の沈丁花は、樹形を整えなくても自然と丸くこんもりした形になり管理の手間が少ない庭木です。
雄株と雌株がありますが、日本で流通しているのは実がなることのない雄株です。
しかし雌株がまったくないわけではなく、たまに紅い実をつけている沈丁花を目にすることもあるかもしれません。
美しくつやつやした小さい紅い実ですが、万一見かけたとしても猛毒があるので触れたりしないように注意しましょう。

沈丁花の常緑の葉は、いい香りを漂わせる花と同じくらい魅力的です。

沈丁花の名前の由来

沈丁花という名前の由来は、その花の香りが沈香に似ていたことからそして葉の形が丁子に似ていたことからつけられました。
朽ちた木の状態で目にすることの多い沈香は、ジンチョウゲ科の植物です。
丁子はグローブとも呼ばれ、料理の香辛料として長く使われてきました。
別名の輪丁花も、花が輪になるようにまとまってついている様子と丁子からつけられた名前です。

沈丁花の花言葉

冬でも枯れない葉の特徴から花言葉の「永遠」や「不滅」が選ばれました。
「栄光」や「勝利」の花言葉は、沈丁花の葉が月桂樹の葉に似ていたことが由来となっています。

沈丁花の種類

ジンチョウゲにはいくつかの品種があり、主に花の色か葉の模様で判別することができます。
いずれの品種も、花が咲くととても良い香りを漂わせます。

シロバナジンチョウゲ(白花沈丁花)

薄いピンク色の花を咲かせる沈丁花と区別するために、白い花を咲かせる沈丁花はシロバナジンチョウゲと呼ばれています。

ウスイロジンチョウゲ(薄色沈丁花)

花の外側が濃いピンク色で、内側が薄いピンク色というグラデーションになっている品種です。

フクリンジンチョウゲ(覆輪沈丁花)

葉のまわりにクリーム色の斑が入っている沈丁花の品種です。
斑入り沈丁花とも呼ばれています。

キバナジンチョウゲ

黄色の花を咲かせる珍しい品種で、ナツボウズという変わった別名があります。
別名の通り、夏に落葉して枝だけになる特性をもっています。

沈丁花の栽培・育て方

沈丁花は樹木でありながら、成長がゆっくりで頻繁な剪定を必要としないのであまり手がかからないのが魅力の植物です。
一度、庭植えしたら移植することを苦手とするので植え付ける場所はよく検討することが重要です。
また、沈丁花の寿命は20年~30年と短いことも覚えておきましょう。

沈丁花の育て方情報

分類・形態常緑低木・庭木
草丈・樹高100cm~150cm
開花の時期3月~4月
花色ピンク・薄紅・白・黄色
耐寒性普通
耐暑性普通
特性・用途庭木・街路樹・生垣・記念樹・香りが良い
栽培難易度普通

栽培スケジュール

植え付け3月~4月・9月~10月
植え替え3月~4月・9月~10月
剪定4月
肥料4月~5月・9月~10月
開花3月~4月

栽培に必要な準備・環境

日当たり・置き場所

沈丁花は成長がゆっくりな植物なので、頻繁に植え替えをしないようにしましょう。
花付きをよくするために日当たりの良い場所を好みますが、西日には弱いので注意しましょう。
また、根を浅く張る特徴があるので倒れやすい沈丁花はなるべく強風が当たらない場所を選びます。
氷点下が続くような寒い地方では、藁をかぶせたり根元を覆ったりして凍り付くのを防ぐことが必要です。

水やり

土の表面が乾いたら水を与えます。
庭植えの場合は、ほとんど水を必要としませんが雨が長く降らなかった夏場などは朝に与えましょう。

肥料

花の咲いた後の4月~5月の時期と秋に緩効性の化学肥料を与えましょう。
2月~3月に寒肥として有機肥料を与えることもあります。

用土

水はけの良い用土を選びましょう。
庭植えにする場合は、腐葉土や軽石を混ぜ込んで水はけをよくするか盛り土をして水がたまるのを防ぎましょう。
鉢植えの場合は、市販の園芸用土か赤玉土に腐葉土を混ぜ込んだものを使います。

沈丁花を育てるときのポイント

選び方

葉が多く茂っていて、茎の根元まで青い葉がついてるものを選びましょう。
庭木として根を麻で巻いたようなものを購入する場合は、根鉢が大きくしっかりしたものを選びましょう。

植え付け・植え替え

沈丁花は根が繊細なので、できるだけ根鉢を崩さないようにして植え付けましょう。
庭植えにする場合は、移植しなくていい場所を選びます。
鉢植えの場合は、根詰まりを防ぐために数年に一度の植え替えが必要ですが、根を傷つけないように注意しましょう。
連作に弱いので、新しい土を使って植え付けましょう。

ふやし方

沈丁花は20年くらいで寿命が終わってしまうことが多い樹木なので、剪定して切った枝を挿し木にしてふやしておきましょう。
花後に新しく伸びた枝をカットして、小粒の赤玉土か挿し木用の土に植え付けて、水を切らさないようにして管理します。
根が確認出来たら植え付けをしましょう。

剪定

沈丁花は剪定をしなくても樹形が整いやすい植物ですが、風通しをよくするために花が終わった時期に間引き剪定を行いましょう。
なるべく太い枝を切らないことが望ましいですが、切った場合は切り口にトップジンなどの殺菌剤などを塗布します。
6月以降の剪定では、翌年の花芽を切ってしまうことになるので避けましょう。

気を付けるべき病気・害虫

病気

ウイルス病は剪定した場所から感染することもあるので、太い枝をカットした場合は殺菌剤を塗って予防しましょう。

害虫

アブラムシがつくことがあるので見つけ次第、薬剤を散布します。

殺虫剤・殺菌剤

アブラムシにはスミチオン乳剤かベニカ系のスプレー剤が効果的です。