初心者でも育てやすいスペアミント【特徴と育て方を紹介】

スペアミントはミントの一種で、メントールのさわやかな香りと味から古くから食用や香料に用いられてきました。
ミントとは、シソ科ハッカ属のハーブでヨーロッパに自生し、現在では大きくわけて40種ほどあり世界各地で栽培されています。

中でも2大ミントと言われているのがスペアミントとペパーミントでスペアミントは料理やお菓子、歯磨き粉などにも用いられています。
今回はそんなスペアミントの特徴や育て方のポイントをご紹介します。

スペアミントの基本情報

学名Mentha spicata L.
英名Spearmint
その他別名ミドリハッカ・オランダハッカ・チリメンハッカ
科名シソ科
属名ハッカ属
原産地地中海沿岸

スペアミントの特徴

スペアミントは、シソ科ハッカ属のミントでヨーロッパ原産の多年草です。
草丈は30〜100cm程になり、一度植えると地下茎でどんどんふえ「ミントテロ」という言葉があるほど。
それほどふやしたくない場合は、地植えするのに注意が必要です。

逆にいえば、ほうっておいてもどんどん生長し、初心者でも栽培しやすい植物です。

スペアミントの活用方法

スペアミントは、数多く存在するミントの中でも少し甘みのあるミントで、料理に広く使われたり、葉から精油を採って香料に用いられています。
もっとも手軽な使いみちとしては、お湯を注いだティーカップにレモンなどと一緒にミントを数枚入れて飲むミントティーです。
ハチミツを入れてもおいしいですね。
また、サラダにも清涼感を与えてくれるので、いつものサラダにミントの葉をトッピングしてみてはいかがでしょうか。

スペアミントの種類

シソ科ハッカ属の植物をまとめてミントといいますが、その種類によって香りや葉の形状が少し異なります。
ここで代表的なミントを紹介します。

ペパーミント

和名セイヨウハッカ。
スペアミントとウォーターミントの交雑種で、茎が紫色のもの(ブラックペパーミント)と緑色のもの(ホワイトペパーミント)があります。

スペアミント

和名ミドリハッカ。
スペアミントは、葉の表面に凹凸があり、厚めで葉の先がとがっています。
ペパーミントよりやさしい香りで、少し甘みのあるミントで、料理やハーブティーに向いています。

ウォーターミント

和名ミズハッカ。
ウォーターミントは、ミントの元祖と言われています。
ミントの中でも香りが強いのが特徴で、名前から想像できるように、水辺や湿地を好みます。

アップルミント

和名マルバハッカ。
ミントにリンゴを混ぜたような香りがユニークなミントです。

スペアミントの栽培・育て方

ミントは生命力が強いため、手をかけなくても自然に繁殖します。
そのため植える場所に注意が必要です。
地植えにも鉢植えでも栽培可能ですが、お庭に植える際にはどこまでも地下茎でミントがふえていき、ほかの植物の領域を侵食していってしまうので気を付ける必要があります。

グラウンドカバーに用いたい場合には地植えにしても良いですね。
また、ミントは室内でも栽培可能なので、手軽に始められるのが嬉しいですね。

スペアミントの育て方情報

分類・形態多年草・ハーブ
草丈・樹高60cm~1m
開花の時期6月~10月
花色
耐寒性強い
耐暑性強い
特性・用途ハーブ・食用・香りがある・初心者でも育てやすい・グラウンドカバー
栽培難易度やさしい

栽培スケジュール

植え付け4月~6月
植え替え4月~6月
剪定5月~9月
肥料5月~9月
開花6月~10月
収穫5月~10月

栽培に必要な準備・環境

スペアミントは、一般に温暖な気候を好みます。
15~20℃が適温ですが、暑さにも寒さにも強いので育てやすい植物です。

日当たり・置き場所

スペアミントは、直射日光に少し弱いため、半日陰で風通しの良い場所が最適です。
日陰すぎると葉の色が悪くなってしまいます。
適度に日の当たる場所で育てます。

水やり

地植えの場合は、植え付け後に水をたっぷりあげ、それ以降は自然に任せてかまいません。
ただ、夏場の乾燥が続くときは、時折たっぷり水やりを行ってください。
鉢植えの場合は、表面が乾いてきたら水をあげる程度でかまいません。
あげすぎると根崩れを起こす恐れがあります。

用土

ミントは丈夫なので、それほど土にこだわる必要はありません。
水はけがよい土壌を用意してあげます。
市販のハーブ用の土や野菜用の土が便利です。

肥料

スペアミントは、植え付け時に肥料を与え、それ以降は生長期の初夏に一度肥料を施します。
それ以上追肥は必要ありません。
特に肥料を与えなくてもよく生長します。

スペアミントを育てるときのポイント

選び方

春頃にスペアミントの苗が出回ります。
葉の色がきれいで厚みがありぐらつかず、しっかり根付いているもの、徒長していないもの、茎が太めのものを選びましょう。
ミントは雑草のようにふえていくため、買うのは1株で十分です。

植え付け・植え替え

苗の植え付け、植え替えは4月~6月に行います。
地植えの場合は、地下茎でふえていくという特性があるため、植える場所の周りに囲いをする、またはミント用の花壇を作るなどしてほかの植物や野菜に邪魔にならない場所を確保しましょう。
またミントは交配しやすいため、ほかのミントとは一緒に植えない方が良いでしょう。
鉢植えの場合は、すぐに生長することを見越して大きめの鉢を用意し、1~2年に一度は植え替えをしてください。

ミントの育て方と植え替え方法とコツを【写真付きで解説】

剪定・切り戻し・収穫

5月~9月の生長期に、定期的に茎をバッサリ切って剪定すると、枝が増えて収穫量がふえます。
収穫は、5月~10月に草丈が30cmほどになったら株本から10cmほど上の茎を切り取ります。

ふやし方

スペアミントは挿し木もしくは株分けで増やすことができます。
また、こぼれ種でもふえていきます。

気を付けるべき病気・害虫

スペアミントはメントールのパワーで害虫に悩まされることはめったにありません。
ただお庭などで栽培する場合、まれに芋虫やバッタ、ナメクジなどに食べられてしまうことがあります。

殺虫剤・殺菌剤

芋虫やナメクジなどは、見かけたら割りばしなどで取り除きます。
葉を収穫するものなので、殺虫スプレーなどはできるだけ使用しません。

また、ひどい場合は、防虫ネットを使って予防することが可能です。