
近年カフェや美容室、他にもオフィスのグリーンとしてインテリアとなる、樹形が美しいウンベラータ。
正式な名前は「フィカス・ウンベラータ」ですが、フィカスとはイチヂクを指すので、イチヂクの仲間です。
あの観葉植物で有名な「ガジュマル」や「ゴムノキ」も、フィカス属に分類され、同じ仲間となります。
ウンベラータの基本情報
学名 | Ficus umbellata |
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英名 | Ficus umbellata |
その他別名 | なし |
科名 | クワ科 |
属名 | フィカス属 |
原産地 | 熱帯アフリカ |
ウンベラータの特徴
緩やかなカーブを描く樹形をし、大きなハート形の葉を広げるウンベラータはインテリアでは非常に人気であり、住宅やカフェ、オフィスでよく目にします。
樹形の姿が、インテリアの多くのテイストにマッチし、ナチュラル感や開放感を空間に生み出します。
大きな鉢に入れ、部屋のシンボルツリーとして置くことで、印象ある部屋を作れるでしょう。
他にも上に伸びて生長するので、部屋の角のラインを意識して設置し空間に立体感を与えることも可能です。
また壁に飾ってあるアートや装飾の下に設置しラインを作ることで、壁の装飾品に注目を行かせつつ、まとまりのある空間も作れます。
大事なのは日当たりと導線を考慮して設置することです。
ウンベラータの種類
フィカス・ウンベラータの種類は800種ほど世界に分布し、観葉植物でおなじみの種類が多いでしょう。
フィカスと付く名前のものはみな、ウンベラータの仲間であり、イチヂクの仲間でもあります。
フィカス・ミクロカルパ(ガジュマル)
日本でも沖縄や尖閣諸島に自生している観葉植物で、人気のあるあのガジュマルです。独特の樹形が最大の魅力であり、丈夫な樹木となります。
フィカス・ベンジャミナ(ベンジャミン)
ベンジャミンの名前で親しまれている樹木で、艶のある光沢の細かい葉を持ち、細く柔らかい幹のため三つ編みにして樹形を変えたものが出回っています。
刈り込みに強く、管理も簡単な種類でしょう。
フィカス・リラータ(カシワバゴムノキ)
観葉植物のゴムノキとして出回っている品種です。
非常に人気で、海外ではこのタイプフィカスが人気でしょう。
葉の形が柏の葉に似ていることからこの名前がついており、分厚く葉に特徴ある品種です。
フィカス・プミラ(プミラ)
プミラの名前で出回っている常緑低木の品種です。葉に斑が入っており、横に伸びるつる性のかわいい見た目をしています。
自生地では通常岩や木に這い登り、生長していくのです。
ウンベラータの栽培・育て方
室内のインテリアとして、非常に人気のある樹木です。
耐寒性が弱く、耐陰性があることから、室内で管理することがおすすめです。
非常に丈夫な樹木で栽培が簡単ですが、管理が悪いと葉を落とす原因となるので、しっかりとしたケアも必要となります。
ウンベラータの育て方情報
分類・形態 | 小高木・高木/観葉植物/常緑高木 |
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草丈・樹高 | 50cm〜150cm(通常は10m) |
花色 | 白 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 常緑性 |
栽培難易度 | 易しい |
栽培スケジュール
植え付け | 5月〜6月 |
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植え替え | 5月〜7月、9月〜10月 |
剪定 | 5月〜10月 |
肥料 | 5月〜10月 |
栽培に必要な準備・環境
日当たり・置き場所
午前中のみ直射日光を与え、それ以外は明るい半日陰で管理ましょう。
インテリアとして設置するのであれば、窓側がよく、小さい株の場合は、できるだけ床から離して管理することがおすすめとなります。
気温が下がると葉を落とすので、できるだけ暖かく、冬場の夜も暖かい場所で管理することがよいです。
水やり
高温多湿を好むので、土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えてください。
休眠期は乾燥気味で水やりを控えます。
用土
湿った環境がよいですが、根腐れを避けるために、水はけはよくしましょう。
肥料
活動が緩やかな時期の冬場は避けます。比較的有機質の用土を使用していれば、肥料は必要ありません。
しかし生長を早くさせるのであれば、生長期の春〜秋に液肥料を10日に1度施すとよいでしょう。
ウンベラータを育てるときのポイント
選び方
害虫に注意しながら、樹形の美しい株を選びましょう。
ハダニやアブラムシなどがついている場合があるので、葉の裏もよくみながら念入りにチェックし、緩やかに伸びる幹の形や色を自分の好みやインテリアのスタイルに会うものをピックアップすることです。
植え付け・植え替え
比較的暖かく、湿度が高めの6月に行います。
生長期であるため、根の傷は多少でしたらすぐに回復します。
しかし、根周りが早いので、1年に一度はチェックしつつ、植え替えを随時行うとよいでしょう。
剪定・切り戻し・収穫
風通しが悪いと害虫が発生しやすくなるので、できるだけ葉が込み合わないようにします。
生長期の5月〜10月が適期となり、余計な葉を切りとります。
また、フィカス類は乳白色の樹液で、触るとかぶれる恐れがあるので、防具も完備しつつ注意しながら行いましょう。
ふやし方
挿し木による増やし方が可能です。
伸びている枝または幹を2〜3節目でカットし乾燥させ、水はけのよい土に挿します。
気を付けるべき病気・害虫
病気
うどんこ病:カビのような白い斑点模様がつきます。光合成の阻害となり、生育不良を起こし、また菌が栄養を吸収するので見つけ次第歯ブラシや布で除去します。
害虫
ハダニ・アブラムシ:風通しが悪く、乾燥した状態だと発生しやすいです。日頃の葉水を行い、ホコリを拭き取りがてら、一緒に葉をきれいにしてあげましょう。
殺虫剤・殺菌剤
できるだけ、殺虫剤は使わずに、こまめな葉水や週に1回程度の葉の掃除を行いましょう。
発生してしまった場合は、歯ブラシや布巾などで除去します。