
唐辛子は香辛料の一種として世界中でいろいろな品種が栽培されています。
赤く熟したものを食する場合や青唐辛子、葉トウガラシといった利用法もありその用途も様々です。
熱帯アメリカが原産の植物のため栽培するには温かい管理をしてあげることが重要になります。
今回は唐辛子の種類や栽培のコツについてご紹介します。
唐辛子の基本情報
学名 | Capsicum annuum |
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英名 | Red pepper、Chile pepper |
その他別名 | 鷹の爪 |
科名 | ナス科 |
属名 | トウガラシ属 |
原産地 | 熱帯アメリカ |
唐辛子の特徴
唐辛子が日本に上陸した説はいくつかあるものの、おおむね1500年代にポルトガル人によって持ち込まれたといわれています。
日本に入った当初は、その辛さから食用としては利用ほとんど利用されておらず、気付け薬や足袋に入れてしもやけ予防などとして使われていたそうです。
また、一部の地域では毒の一種として利用されていたとの話もあります。
近年は激辛ブームや韓流スターの影響もあり、メディアで唐辛子を大量に使った飲食店やレシピが取り上げられる機会も多くなっています。
暴君ハバネロやカラムーチョといったスナック菓子の原料にも使われています。
唐辛子の種類
唐辛子は世界中に様々な品種が存在します。その中でも有名な品種をご紹介します。
鷹の爪
空に向かって伸びる姿がまるで鷹の爪のようということで名付けられた唐辛子。
日本ではスーパーなどでもよく目にするなじみ深い唐辛子です。
万願寺とうがらし
京都府舞鶴市が発祥の京野菜の一種。
基本的には辛みがなく甘くて肉厚な果実が特徴。炒め物やてんぷらの材料としても人気。
ハラペーニョ
南米原産の青唐辛子。
メキシコ料理ではポピュラーな食材で、アメリカやオーストラリアなど幅広い地域で食されている唐辛子です。
ハバネロ
お菓子の暴君ハバネロやデスソースの原料として日本でも有名な唐辛子。
キャロライナリーパー
2013年にギネス世界一に認定されてから今まで一位の座を守り続けている品種。
辛さを表す単位スコヴィル値は驚異の220万を記録する名実ともに世界一辛いトウガラシです。
唐辛子の栽培・育て方
唐辛子はの原産地は熱帯アメリカ周辺で、風通しと日当たりの良い場所を好みます。
若い株が霜にあうと枯れてしまうことがあるので苗の時期は特に温度管理に注意しましょう。
唐辛子の育て方情報
分類・形態 | 一年草/野菜 |
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草丈・樹高 | 40cm |
開花の時期 | 6〜10月 |
花色 | 白 |
耐寒性 | やや弱い |
耐暑性 | 強い |
特性・用途 | 食用 |
栽培難易度 | 普通 |
栽培スケジュール
植え付け | 5~7月 |
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植え替え | 5~7月 |
肥料 | 5~10月 |
開花 | 5~10月 |
収穫 | 5~10月 |
栽培に必要な準備・環境
日当たり・置き場所
日当たりと風通しの良い場所で育てましょう。
水やり
唐辛子が浅く根を張るため、極端な乾燥や過湿に弱い植物です。
水切れにならないようにたっぷりと水を与えるようにし、夏場は朝夕の2回あげることを心掛けましょう。
肥料
植え付け時に元肥として緩効性肥料をまいておきましょう。
果実が付き始めてからは、2週間に1回程度のペースで速効性の肥料を与えることで、収量増加につながります。
用土
唐辛子は排水性の良い土を好みます。
赤玉土:腐葉土:バーミキュライト=6:3:1をベースに有機石灰を加えるか、市販されている野菜栽培用の土を使うと簡単で便利です。
地植えの場合、定植2週間前には1㎡当たり150gの苦土石灰をまきよく耕しておきます。
その後定植1週間前に、1㎡当たり2~3㎏のたい肥と150gの化成肥料をまき、耕しておきます。
温度
熱帯アメリカ原産の植物のため、暖かい気候を好みます。
生育適温は20~30℃前後のため、日本の暑い夏でも元気に過ごすことができる野菜の一つです。
育苗時には霜があたらないよう注意しましょう。
唐辛子を育てるときのポイント
選び方
苗を購入するのが一般的です。
葉の緑色が濃く厚みのあるもので、病害虫が発生していないものを選ぶようにしましょう。
ある程度大きくなっている苗ならば花付きの状態もチェックポイントです。
種まき
発芽適温は25度前後とやや高めで、定植サイズの苗に育てるまで2か月半ほどかかります。
2月下旬~3月上旬ごろに播種し、しっかりと温度管理をして育苗しましょう。
植え付け・植え替え
唐辛子の植え付けは最低気温が18度を超えたあたりで植え付けましょう。
収穫
花が咲いてから2~3週間たったころに果実が赤く熟し、収穫できます。
素手で触ると手が痛くなったりするので、手袋をつけて収穫しましょう。
全体が赤くなったら株ごと引き抜いて風通しの良い宇ところで乾燥させると長期間保存できます。
果実が青い時期に収穫したり、株が小さいい間に葉ごと収穫して葉トウガラシとして利用することも出来ます。
増やし方
赤く熟した果実を収穫後、1か月ほど乾燥させることで種を入手することができます。
気を付けるべき病気・害虫
主な病気は青枯れ病、萎凋病、モザイク病などです。
害虫はアブラムシやハダニ、アザミウマなど様々なものが発生します。
特にアブラムシはモザイク病を媒介するので早期の防除を徹底しましょう。
殺虫剤・殺菌剤
ベニカベジフルスプレー、家庭園芸用レンテミン液剤など