増えすぎ注意!マツバギク(松葉菊)毒性はある?冬越しできる品種は?

ぷくぷくした葉と、輝くような明るさの花が魅力的なマツバギク。

とても増えやすく、管理の手間も少ないので初心者でも育てるのが簡単なのがマツバギクの魅力です。
また、開花時期もとても長いので空いているスペースのグランドカバーにも適しています。

よく見かけるピンク色の品種以外にも、様々な花色の品種があるマツバギクの特徴と育て方をご紹介します。

マツバギクの基本情報

学名Lampranthus spectabilis
英名Fig marigold、Trailing ice plant
その他別名サボテンギク
科名ハマミズナ科
属名ランプランサス属・デロスペルマ属
原産地南アフリカ

マツバギクの特徴

マツバギクの名前の由来

マツバギク(松葉菊)の名前の由来は、多肉植物ならではの肉厚な葉が松葉のようにツンツンしていたことからつけられました。
その花も、何枚もの花びらを菊のように豪華に花開くことがマツバギクの名前の由来になっています。

別名のサボテンギクも、サボテンのように水分をたっぷりと含んだ葉の特徴からつけられた名前です。
菊、という名前が入っていますがマツバギクは多肉植物に分類されています。

マツバギクの花言葉

花言葉の「心広い愛情」や「忍耐」はマツバギクがグランドカバーとしてとても丈夫で広がりやすく、乾燥にも耐えられる特徴を持った植物であることから、また「勲功」は花や葉につやがあって勲章のようだったことからつけられました。

一方で、「怠惰」や「怠け者」などのネガティブな花言葉を併せ持っています。
これはマツバギクの花が、太陽の当たらない夜や雨の日に閉じてしまう特性をもつことが由来となっています。

マツバギクはグランドカバーにもなる

ひとつの花がとても長持ちするマツバギク。
細長い花びらは数十枚ついていて、たくさんの花をつけるので見ごたえがありグランドカバーなどにも適しています。

マツバギクはグランドカバーとしてもおすすめ!育て方や季節の変化について

マツバギクの種類

マツバギクは最もポピュラーなデロスペルマ属に分類されるピンク色のほかにも、様々な花色があります。

ランプランサス属のいくつかの品種や交配種もまた、マツバギクとして販売されています。
デロスペルマ属が一番育てやすく、耐寒性も強いので寒い地方ではおすすめの品種です。

ランプランサス種の開花時期は4月から6月、デロスペルマ属の開花時期は6月から10月と異なっています。

デロスペルマ属

耐寒マツバギクとして販売されている最もポピュラーな品種です。

這うように広がっていくことから、グランドカバーや緑化植物としても利用されてきました。
また、秋には緑色の葉がうっすらと赤みがかって紅葉するのが特徴です。

白い花を咲かせるムーンストーンや、薄ピンク色の花を咲かせるラベンダーアイスなどの品種もあります。
かなり耐寒性が強いので、屋外でも育てることができます。

コンゲンスタム

レモンイエローの花を咲かせる矮性の品種で、植木鉢などに適しています。

ランプランサス種

赤やオレンジなどの多様な色がありますが、耐寒性が弱く氷点下になる地方では庭植えできないので注意しましょう。

マツバギクの栽培・育て方

マツバギクは乾燥や高温に強く、這うようにして広がっていくのでグランドカバーにぴったりなとても育てやすい植物です。

葉や花が光沢をもっているのでそれだけで見ごたえのあるマツバギク。
過湿にならないように管理するのが栽培のポイントです。

マツバギクの育て方まとめ【水やりや増やし方のポイントとは?】

マツバギクの育て方情報

分類・形態草花・多年草・多肉植物
草丈・樹高10cm~30cm
開花の時期4月~10月
花色紫・赤・ピンク・白・オレンジ
耐寒性普通
耐暑性強い
特性・用途花壇・グランドカバー・ロックガーデン
栽培難易度やさしい

栽培スケジュール

植え付け4月~5月・9月~10月
植え替え4月~5月・9月~10月
肥料4月・10月
開花4月~10月

栽培に必要な準備・環境

日当たり・置き場所

日当たりと風通しの良い場所が適しています。

日当たりが悪いと花がひらかなかったり、咲かなくなってしまいます。
乾燥した場所でも生育できるので、ロックガーデンや石垣にも適しています。

過湿には弱いので水はけをよくして管理しましょう。

水やり

過湿には弱いので、土の表面がすべて乾いたら与えましょう。
庭植えの場合は、ほとんど必要としません。

肥料

鉢植えの場合は、春と秋に緩効性の化成肥料を与えましょう。
庭植えの場合は、肥料を与える必要はありません。

用土

乾燥した用土が適しています。
鉢植えにする場合は、サボテン用の土や山野草の土などを用いましょう。

庭植えの場合は、水はけをよくするために、腐葉土やたい肥などを混ぜ込んでおくのも効率的です。

マツバギクを育てるときのポイント

選び方

花色や矮性かどうかなどの好みで選びましょう。

耐寒性のある品種と冬越しできない品種があるので、植え付ける気候に適したものを選びます。

植え付け・植え替え

植え付けの時期は春か秋が適しています。

苗の大きさよりもひとまわり大きい鉢に植えて、土が過湿になりすぎないようにしましょう。
庭植えの場合は、植え替えの必要はありません。

鉢植えの場合は数年に一度、ひとまわり大きい鉢に植え替えて根詰まりを防ぎましょう。

ふやし方

挿し芽で増やすことが出来ますので、挿し木用の用土や赤玉土に挿して増やしましょう。
春か秋に数センチほどの長さに芽をつんで増やしていきます。

同じように、茎をカットして挿し木でも増やすことができます。
一か月くらいでしっかり根付くまでは、半日かげの場所で乾燥気味に管理しましょう。

増えやすいので、過湿を避けるためにも苗の間隔を広くして植えます。

茎が伸びてきたら、摘芯することで枝分かれさせることが可能です。
庭植えにしているものも、年数が経つと木化しやすいので定期的に挿し芽をして更新しましょう。

マツバギクに毒性はある?食べられる?

名前に「菊」が入っていて見た目も美味しそうなので、もしかして食べられるのでは…と期待する人もいるかもしれません。

植物自体に毒性はないですが、食用であるという話は聞いたことがありません。

食用菊のように食べないほうがいいでしょう。

マツバギクは多肉植物の仲間なので、食用ではなく観賞用として楽しむことをおすすめします。

気を付けるべき病気・害虫

病気

特にありません。

害虫

アブラムシやカイガラムシがつくことがあるので市販のスプレー剤で対処しましょう。

殺虫剤・殺菌剤

アブラムシにはスミチオン乳剤やマラソン乳剤を散布します。
カイガラムシは、直接排除するか、冬場に石灰硫黄合剤を散布します。