- マツバギクの育て方について理解できる
- マツバギクを自分で上手に育てることができる
- マツバギクの水やりや増やし方がわかる
- マツバギクを上手に増やすことができる
マツバギクは四季咲き性で小菊のような花を咲かせる細葉の多肉植物。草丈は低く横に広がって育つので、グランドカバーやロックガーデンにもよく利用されます。育ててみたいけれど、初心者でも簡単に育てられるのか不安ですよね。
こちらの記事では、マツバギクの育て方を分かりやすくまとめて解説します。
マツバギクを育てるのに適した環境
マツバギクはどのような環境で育てたらよいのでしょうか。うっかり枯らせてしまわないためにも、マツバギクの好む環境を事前に知っておくことが大切です。
マツバギクの原生地「南アフリカ」の日差しの強さや、乾燥した気候や地質を思い描けば、おのずと見えて来ることもあります。次で詳しく解説します。
マツバギクに適した土
マツバギクは、水はけの良い用土が適しています。梅雨時のようなジメジメ湿った用土が苦手。庭や玄関アプローチが、大雨の後に水たまりができるような土地だった場合、うまく育たない可能性があります。
水はけが良くなるよう、砂や腐葉土、軽石などの土壌改良材を施し、周囲より少し高く土を盛るのも効果的です。
また、日本の土壌は酸性に偏りがちなので、植え付けの1週間以上前に苦土石灰をすき込んで、pHの調整をしてから植えこむと良く育ちます。
マツバギクに適した気温
マツバギクには、春咲きの「ランプランツス属」と、耐寒性マツバギクと呼ばれる秋咲きの「デロスペルマ属」の二種類の品種があります。
属が違うので、適した気温は少し異なるようです。詳しく見てみましょう。
ランプランツス属に適した気温
ランプランツス属のマツバギクは、耐寒性が-2℃ほどで、寒さにやや弱いのが特徴。寒冷地では、秋になったら鉢に掘り上げ、暖かい場所で越冬させ、春になったら再び植え付けることで維持できます。
デロスペルマ属に適した気温
デロスペルマ属はマツバギクの仲間で、別名「耐寒性マツバギク」と呼ばれるように、寒さに強い品種です。なんと-25℃まで耐えると言われています。
日本のほとんどの住宅地で、路地植えのままで越冬可能。特に何もしなくてよいので、初心者におすすめの品種といえます。
マツバギクに適した日当たり
マツバギクの故郷の南アフリカは、日差しが強く世界で最も日照時間が長い土地だと言われています。そこからも分かるとおり、マツバギクは日光が大好きな植物で、日が陰ると花が閉じてしまうほどです。
庭植えにするときは、なるべく日当たりの良い場所に植えてあげると良く育ちます。
マツバギクの育て方
自宅の庭でマツバギクの環境を整えたあとは、マツバギクに適した育て方をしてあげればどんどん広がって育ちます。マツバギクの育て方で重要なポイントは、
- 水やり
- 肥料
- 剪定(切り戻し)
- 病害虫
などがあげられます。具体的にどのような作業をしたら良いのでしょうか。詳しく見てみましょう。
マツバギクの水やり方法
マツバギクは、地植えであれば、一度根付いてしまえば水やりは特に必要ありません。時々雨が降れば、雨水だけで十分育ちます。真夏の日照りの時だけは、朝夕の涼しい時間帯に水やりしましょう。
植え付けたばかりの時や、鉢植えで育てている場合は、用土がしっかり乾いてから潅水するように心がけましょう。
マツバギクの肥料のやり方
マツバギクは他の多肉植物同様、やせた用土を好むので、肥料はやらなくても育ちます。
肥料を与えすぎるとかえって花が咲かなかったり、徒長したり、根腐れして枯れてしまうことも…。もし肥料を与えるとしたら、春と秋に1~2回くらいで十分です。「肥料はやり過ぎない」と覚えておいてくださいね。
マツバギクの剪定(切り戻し)方法
マツバギクの剪定方法は、「ランプランツス属」か「デロスペルマ属」なのか種類により異なります。
マツバギクはほとんど手がかかりませんが、美しく保つために多少のお手入れをすると見栄えが良くなるようです。種類別に見てみましょう。
ランプランツス属の剪定(切り戻し)方法
ランプランツス属のマツバギクは、草丈が50cmほどにもなり、樹木の「小低木」に分類されることもあります。
株元が木質化しやすいので、花が咲き終わった6月頃に切り戻し剪定を行うと、株がリフレッシュして、また新しい葉が生え美しい状態を保てます。
デロスペルマ属の剪定(切り戻し)方法
デロスペルマ属は背丈が低い種類なので、剪定は特に必要ありません。
徒長してだらしなくなった場合や、駐車場や通路など出てきてほしくない所にまで広がった場合は、春~秋の天気の良い日に適宜カットしましょう。新芽が出てくれば、また美しい多肉質の細葉を楽しめます。
マツバギクの病害虫
マツバギクは、比較的病害虫に強い種類で、枯れる原因のほとんどが蒸れや過湿によるものです。しかし、まれにうどん粉病、灰色カビ病、マツバギクべと病やマツバギクピシウム腐敗病にかかることがあります。
害虫はアブラムシやカイガラムシ、ナメクジ、ネキリムシ、ヨトウムシが付くので、殺菌殺虫剤で早めに駆除しましょう。
マツバギクの増やし方
マツバギクの増やし方は
- 種まき
- 挿し木
などがあります。
グランドカバーでたくさん使いたいときに、マツバギクを買い足すのではなく、自分で増やすことができればコスパも良く助かりますよね。次の章で種まきのやり方と挿し木のやり方を詳しく見てみましょう。
マツバギクの種まき方法
マツバギクの種は20℃前後で発芽します。暖地では春と秋に種まきすることが可能です。マツバギクの種はとても細かく「好光性種子」なので、日の光がないと発芽しません。
種をまいたら覆土はしません。雨や風で種が飛んでしまわないよう、明るい屋根がある場所がおすすめです。水は上からジョウロで与えるのではなく、底面吸水か霧吹きで静かに水やりしてくださいね。
本葉2~3枚になったら定植します。
マツバギクの挿し木方法
挿し木の適期は4~6月か、夏を避けて9月~10月に行います。威勢の良い枝を選び、葉先から5cmほどのところでカット。下1cmくらいまで葉を落として、清潔な用土に挿しましょう。
剪定時に出た枝を使うと一石二鳥です。浅鉢に数本差して、明るい日陰で管理します。水やりは週2回ほど、やや乾燥気味に育てると1カ月ほどで発根します。しっかり根付いてから定植しましょう。
まとめ
ほふく性でグランドカバーに最適なマツバギクの育て方をまとめてみました。
一見難しそうですが、よく日が当たる乾燥気味の環境さえ整えてしまえば、ほとんど手がかからず、初心者でも楽しむことができる植物です。
庭や玄関アプローチに広がるマツバギクのじゅうたん、ぜひチャレンジしてみてくださいね。