ワイルドストロベリーの育て方・植え替え方法と種まきのコツ

ワイルドストロベリーは栽培して花を咲かせ実がなると幸せが訪れる幸福な植物と言われていることをご存じですか?

ワイルドという名前の通り丈夫な性質のため、初心者の方でも育てやすく収穫した実はジャムなどに加工することができます。
今回は初心者の方に向けたワイルドストロベリーの育て方から栽培方法まで紹介いたします。

ワイルドストロベリーの基本情報

学名Fragaria vesca
英名wild strawberry
その他別名エゾヘビイチゴ
科名バラ科
属名イチゴ属
原産地北米・ヨーロッパ

ワイルドストロベリーの特徴

ワイルドストロベリーは白い花を咲かせ、実は通常のイチゴよりも小ぶりの形であることが特徴の野イチゴの一種です。

香りもよく甘酸っぱい味わいで生でも食べることができますが、実が小さいこともありジャムなどに加工して食べたり、果実酒にしたり食べきれない時は冷凍保存することもできます。
また葉っぱは乾燥させてハーブティーとしても使用することができます。

和名では蝦夷蛇苺(えぞへびいちご)と呼ばれ、日本では北海道で野生化したのが始まりと言われ、明治時代に皇室用に栽培されたことで広まったとされています。

ワイルドストロベリーはヨーロッパでは「ラッキー&ラブ」と呼ばれ、アメリカでは「ミラクルを呼ぶ」と言われている縁起のいい植物です。

花言葉は「幸福な家庭」「尊重と愛情」などがあり、この花言葉はキリスト教で聖ヨハネと聖母マリアにイチゴが捧げられたことから、この二人の象徴としてつけられたと言われています。

ワイルドストロベリーの種類

ゴールデン・アレキサンドラ

ワイルドストロベリーのオーレア品種で、花は白色で葉が黄緑色です。

アルバイン・イエロー

アルパイン系の品種であり、実がつきやすいという特徴があります。
白に近い薄黄色の実がなります。

ミグノネッテ(ミニョネット)

生育が旺盛であり実つきのよい品種で、苗も多く流通しています。
フランスイチゴの改良種でありランナーが出にくいという特徴もあります。

ワイルドストロベリーの栽培・育て方

あまり手をかけなくても成長しますが、日当たりや水やりなど注意をすることで花つきがよくなり、たくさんの実を収穫することができます。

また実がなると害虫だけでなく鳥も実を食べてしまうことがあるので注意が必要です。

ワイルドストロベリーの育て方情報

分類・形態ハーブ・多年草
草丈・樹高10~20cm
開花の時期4月~7月
花色
耐寒性強い
耐暑性強い
特性・用途常緑性・初心者でも育てやすい
栽培難易度普通

栽培スケジュール

植え付け5月~6月・9月~10月
開花4月~7月
収穫4月~7月

栽培に必要な準備・環境

日当たり・置き場所

風通しがよく日当たりのいい場所で栽培することで花つきや実つきがよくなります。

ただし、夏場は日差しがつよすぎると元気がなくなりますので、半日日陰に移動するか庭植えの場合は午後は陰になるような場所か日陰を作るようにしましょう。

水やり

土の表面が乾いたら、鉢底から水があふれるほどたっぷり水をあげましょう。
水切れして乾燥してしまうと葉っぱが枯れる原因になりますので、水やりは適時必要です。

ただし、多湿も根腐れの原因になりますので特に鉢植えの場合は水はけがよい環境を作りましょう。

肥料

庭植えの場合は基本的に肥料は必要ありません。
鉢植えの場合は、春と秋に月に一回ほど置き肥をしましょう。

液体肥料を与える場合は10日に1回のペースで施しましょう。
葉の色が薄くなると栄養不良のサインですので、葉の色に注意してください。

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用土

市販の草花用の培養土かハーブ用の用土で栽培できます。
また自分で配合する場合は赤玉土7、腐葉土3の割合で配合し、緩効性の肥料を少し混ぜて準備しましょう。

ワイルドストロベリーを育てるときのポイント

選び方

葉の色がきれいな緑色で虫喰いのない苗を選びましょう。
ワイルドストロベリー品種によって葉色も実の色も異なる品種がありますので好みの品種を探してみましょう。

種まき

種を購入して育てる事もできます。種まき前にポット苗に土を入れてたっぷり水を与えて土を湿らせておきましょう。
一つのポットに数粒の種をまき土はかぶせません。

発芽するまでは乾燥しないように室内で育てましょう。
一か月程度で発芽したら元気な芽以外は間引きましょう。

植え付け・植え替え

春か秋に植え付けや植え替えを行いましょう。
ポット苗を植える場合は、土に苗の大きさの穴をほり苗の根土は崩さずにそのまま穴に植え付けます。

剪定

害虫予防のために枯れた下葉はこまめに切り取りましょう。
また成長するにつれて株もとから柔らかい茎のようなものがどんどん伸びてきます。

その茎をランナーと呼びますが、ランナーはそのまま成長することで先に花や実をつけどんどん数を増やしていきます。
ただし、花や実がつかないランナーもありますのでその場合は適時剪定しましょう。

また増えすぎた葉も株元が蒸れる原因になるので、適時取り除きましょう。

植え替え・鉢替え

鉢の植え替えの場合は、根についている古い土を落とし根っこをほぐしてから植え付けましょう。
その際に葉や芽が出てくる株元が土に埋まらないように土を寄せて軽く抑えるように植えます。

植え替え後はたっぷり水をあげましょう。

庭植えの場合は基本的に植え替えは必要ありません。
鉢植えの場合は根詰まりしないように、一年に一度のペースでひとまわり大きい鉢に植えるか株分けをしましょう。

増やし方・株分け

ランナーで増やす場合は、ランナーの先に葉や花がついているもので、軽く引っ張ってみてしっかり株元にくっついているようであれば株元からランナーを切り離し、ランナーの葉がついている部分から根が出てきますのでをポットに植え替えましょう。

また春か秋に株元を分けて増やすこともできます。
庭植えの場合、得に何をしなくてもランナーがどんどん増えて自然に広がっていきますが、あまり増やしたくない場合はランナーは切り落としましょう。

収穫

4月~7月、9月~11月頃に実が収穫できます。
赤く色づき熟してきたら収穫のサインです。

実が軟らかいためつぶさないようにそっと実を持ち上げて果柄から摘み取りましょう。
また、葉っぱもハーブティーとして使用できるので、4月~9月頃に増えすぎた葉を取り除き収穫しましょう。

葉はそのままでは食べられませんので、乾燥させてからハーブティーとして楽しみましょう。

気を付けるべき病気・害虫

病気

灰カビ病

葉に水がしみたような病斑を見つけたら広がる前にすぐに切り取りましょう。

広がると株全体に広がり枯れる原因となります。

害虫

ハダニ

乾燥すると発生しやすくなります。
葉の裏に白い斑点があり少数の場合はテープなどで取り除きましょう。

時々葉水をすることで予防することができます。
また二倍に薄めた牛乳をスプレーなどで吹きかけ、乾燥した後に水でしっかり洗い流しましょう。

殺虫剤・殺菌剤

葉や実を収穫する場合は、あまり殺虫剤などは使わずに、予防策を取るか、牛乳散布など口に入っても安全なもので対処しましょう。