カミキリムシと幼虫の駆除と防除方法とは?【種類・生態・被害にあいやすい植物】

カミキリムシとは通称テッポウムシと呼ばれるように、木に穴を空けて浸入しては枝や幹を食害し枯れさせてしまうちょっとやっかいな昆虫。

幼虫が幹の中に住み着くため一見見つけにくく、気づいた頃には被害が大きく手遅れなんてことも。

カミキリムシは薬剤に耐性のある種類もいるため、確実に予防するためには日頃から植物をよく観察し、予防対策を取ることが大切です!

今回はカミキリムシとその幼虫の生態や種類から被害にあいやすい植物、そして今すぐとりかかれる駆除や予防方法まで詳しく紹介します。

カミキリムシやその幼虫の被害にあいやすい植物とは?

カミキリムシは種類によって被害にあいやすい植物は変わります。

その中でも特に被害にあいやすい植物とどのような被害があるのでしょうか?

カミキリムシによる被害

カミキリムシの幼虫は木の内部の柔らかい部分を食べ、成虫すると外に出てきて木の外側を食べます。

幼虫は木の内部に寄生し下に向かって食害していくため、木の穴から木くずのような食糞が落ちます。

そのため木の根もとに食糞が落ちている場合はカミキリムシがいる可能性が高いでしょう。

カミキリムシが成虫へ成長すると木の外側である枝から幹、種類によっては葉までつぎつぎに食べつくします。

そして、最後には枯れさせてしまいます。

また幼虫の食害にて木内部の空洞が大きくなると枝や幹が脆くなり、ちょっとした刺激で折れてしまうこともあるので注意が必要です。

カミキリムシの被害にあいやすいのは柑橘系やヤナギ系などの果樹

カミキリムシは、ほぼ全ての植物に寄生し被害を及ぼしますが、特に柑橘系やヤナギ系、ナシなどの果樹は被害にあいやすいです。

その他にもモミジやクリやシイのなどの樹木や庭木などにも発生します。

また成虫のカミキリムシは若い苗や元気のない植物を好んで寄生する傾向にあります。

カミキリムシにが食害した部位は回復することができないため切り落とす必要があります。

また付近の他の植物にも被害が及んでいる可能性があります。

そのため、一度発見した際は注意深く周りも観察することが大切です。

カミキリムシの種類と生態

植物にとってはやっかいな存在のカミキリムシですが、実際にどのような昆虫なのかカミキリムシの種類から生態まで説明します。

カミキリムシの種類

カミキリムシはコウチュウ目カミキリムシ科の甲虫の総称です。

そのシュッとしたフォルムから昆虫として人気があることでも知られています。

全世界で約2万種ものカミキリムシが生息しており、日本には800種ほどが生息しているんだとか。

有名な種類としてはゴマダラカミキリ、シロスジカミキリ、ヨツスジトラカミキリ、ホシベニカミキリなどがあります。

種類によって大きさも色や形もさまざま。

そして、果樹を中心に食害するものや街路樹などの樹木を中心に食べる種類もあれば、種類を問わずさまざまな植物を食べる種類もいます。

カミキリムシの生態

樹木の根元付近のに産み付けられた卵は、卵から孵って幼虫となり幹の中で幹内部を食害しながら2~3年ほどかけて成長します。

そして5月~6月頃に成虫へと羽化し木に大きな脱出穴を作り外に出ます。

食性はほとんどが草食であり、植物の花や木の皮や樹液などを食べ成長します。

木や植物の硬い分も食べてしまうほど顎が発達しており、捕まえた時に噛みつかれた場合は血が出ることもあるので注意が必要です。

また成虫となったカミキリムシは危険が近づくと「キーキー」という鋭く大きな声で鳴くので最初はとても驚きます。

ちなみにカミキリムシは一度になんと約200粒もの卵を産み付けます。

卵は内部に産み付けられるため、表面からは見えにくいです。

卵を産み付けられた場所は樹皮や植物の表面が1~2㎝程度まるく変色するので、よく見ると見つけることができるかもしれません。

カミキリムシの駆除と予防法

カミキリムシを見つけたら早めに駆除することが必要ですが、正しく予防方法をとることで被害を減らすことができます!

カミキリムシを見つけるには

まずは、普段よりよく植物を観察しておきましょう。

特にカミキリムシは木の根元から50㎝ほどの高さに穴を空けて中に入ります。

木の根元に近い部分に穴がないか、根元に木くずのような食糞がおちていないか確認してみましょう。

また一匹見つかれば他にもいる可能性が高いと考え周りの植物もよく観察してみてください。

カミキリムシや幼虫は見つけにくく、気づいた頃には被害が大きく取り返しがつかないといったケースが多くあります。

そのため早期にカミキリムシを見つけやすくするために、普段から木や植物の下草はできるだけ短く刈っておくといいでしょう。

カミキリムシの駆除方法

カミキリムシの成虫を発見した場合は、卵を産み付けられる前に早めに駆除することが大切です。

穴を見つけたら、専用の薬剤であるベニカXネクストスプレーやノズルのついた園芸用キンチョールEなどを用いて穴に散布しましょう。

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その際に、幼虫には比較的効きますが成虫の場合は薬剤に耐性がある種類もいますので、散布後も確実に駆除するまでは注意が必要です。

もし薬剤が効かない場合は、少し勇気がいりますが針金などを穴に直接差し込み突き刺して捕殺してみましょう。

また木酢液に浸した綿を穴に詰める方法もおすすめです。

カミキリムシの予防方法

カミキリムシはどんな植物も食害する可能性がありますが、特に成虫は樹勢が衰えた幹に産卵する傾向があります。

普段から植物や樹木の様子を確認し肥料を施すなど樹勢を強くすることが大切です。

もしカミキリムシが寄生したとしても、樹勢が強いとヤニなどで幼虫は生育できません。

また枯れている枝や、樹皮などは優先的に剪定して取り除いておきましょう。

そして専用の薬剤である家庭園芸用スミチオン乳剤などを定期的に木の根元から50㎝ほどの部分に散布します。

卵を産み付けられないよう予防することも有効です。

プランターなどの植物の場合は、防除ネットなどで覆う方法もおすすめですよ。

まとめ

カミキリムシは通称テッポウムシと呼ばれ、木や植物に寄生しては内外から食害し植物が枯れてしまう原因となります。

特に果樹である柑橘系やヤナギ系などは被害を受けやすく注意が必要です。

しかし、カミキリムシの種類によってはさまざな植物が対象になります。

カミキリムシは薬剤耐性がある種類もあり、食害された植物はもとにもどらないため予防を徹底することが重要です!

予防のためには、日ごろから樹勢を保つために適時肥料を与えたり剪定を行いましょう。

そしてカミキリムシが見つかりやすいように、下草はできるだけ刈っておくとカミキリムシを早期発見しやすくなりますよ。

もしカミキリムシが見つかった時はこれ以上被害が広がらない様に専用の薬剤を使うか、直接捕殺するなど確実に駆除することが大切です。

できれば出会いたくないカミキリムシ。駆除しなくてもいいように普段からしっかり予防対策をとっておくことをおすすめします!