苔テラリウム

テラリウムや苔テラリウムは、そのかわいらしく癒しを感じさせるような姿で、近年人気なインテリアです。

テラリウムも苔テラリウムどちらも一緒と思う方は多いとは思いますが、苔テラリウムはテラリウムよりも大自然を感じさせるような世界観でしょう。

今回は苔テラリウムとは何か、またおしゃれな作り方とコツを解説します!

苔テラリウムとは

苔テラリウムとはガラス瓶や水槽などの透明なガラスコンテナの中に、陸上生物の自然を詰め込んだうえに苔も一緒に入れたものです。

もしくは苔のみの箱庭でもありテラリウムの延長線上の園芸技法となります。

テラリウムにさらに苔を加えた世界観はより自然に近く、自然に生えたかのような苔がまるで森の中にいるような気分を味わえるでしょう。

それが苔テラリウムの魅力であり、私たち日本人にとってはより「和」を感じやすいインテリアといえます。

アジア諸国以外の国ではテラリウムや苔玉が主流ですが、苔テラリウムはアジア諸国で最も親しまれているテラリウムです。

苔を使ったテラリウムの作り方

苔テラリウムを作る際は、まず苔のみでテラリウムを作るのか、またはほかの植物や生物と一緒にするかで、必要な材料やその作り方は変わってきます。

まずはテラリウムを作る前に苔の性質について知ると、苔テラリウム作りは、簡単でスムーズになるでしょう。

苔テラリウムを作る前に苔を知る

苔テラリウム作りに初めに考えることは、苔以外の生物を一緒にさせるかを考えることです。苔と一緒にするかしないかで、必要なものが変わるからです。

特に土は苔にとってはあまり必要ではなく、あくまで土台にするためとなります。

自然の苔を想像してみると分かりやすく、苔は石やコンクリートなど、無機質な素材に着生していることがわかるでしょう。

それは苔には植物のように養分を吸い上げるような根はなく、根に見えるものは仮根と呼ばれ、体を支えるためだけの役目となります。

養分を必要としないので肥料を与える必要もなければ、土も必要ではないのです。

苔と別の植物を一緒にした苔テラリウムの作り方

苔と別の植物を一緒にした苔テラリウムを作る場合は、底石やピートモス敷いた上に、土を入れて土壌は完成します。その後に飾りたいものを装飾し、植物を植栽します。

そして植物を植栽する同じタイミングまた、最後に苔も一緒に植栽すると、見栄えのよい美しい苔テラリウムができるでしょう。

苔は比較的乾燥に強いですが、光はとても重要です。ほかの植物と一緒にする場合は、半日陰でも育つような植物を選ぶと、お互いによい環境下で一緒に生成できます。

苔のみの苔テラリウムの作り方

苔のみで苔テラリウムをつくる場合は、実際には苔をガラスケースの底に直接敷くことも可能です。

しかし常に水に使っている状態なってしまう場合は、あまり苔にとってはよくない環境ともいえます。

またおしゃれさにも欠けるので、しっかりとした材料を用意して、苔が映えるような空間を作りましょう。

おしゃれな作り方①砂利を敷く

フタがついたガラスケースが用意できた後は、容器の底に細かい砂利を敷きます。

あくまで水が溜まるようなレイヤーを作るだけなので、1レイヤー作るだけでもよいですが、おしゃれにするために質の違った砂利、もしくはカラーサンドでレイヤーを作ることもよいでしょう。

少し厚みを持たせて、苔が溜まった水に直接触れないように厚くするのもよいです。また、活性炭も1レイヤー入れると苔の独特な匂いも緩和できるので、気になる方は一緒に敷きましょう。

おしゃれな作り方②装飾する

土壌が完成したあとは、そのまま苔を植栽することもよいですが、もう少し見栄えをよくして石や人工物を入れて飾り付けすると、さらにおしゃれな見栄えとなるでしょう。

自分が作りたい世界観をここでは表現してください。

おしゃれな作り方③苔を植栽する

装飾までできたら、苔を植え付けていきましょう。

苔が1つに固まったものは手でも問題なく植栽できますが、細かいものや深く植え付けるのであれば、箸やピンセットを使って植え付けると、スムーズに作業が行えます。

苔のテラリウムに必要な道具・土・容器

苔とほかの植物を使った苔テラリウムを作る場合は、基本的なテラリウムと同じで全く問題ありません。

苔のみの苔テラリウムを作る場合は、質の違う砂利を用意し、石や人工物の飾りを用意するだけでよいでしょう。しかし、どちらにせよ、容器は必ず密閉ができるフタ付きの容器を用意してください。

テラリウムにおすすめの苔の種類

カモジゴケ

生長スピードは普通ですが、半日陰から日陰で育つ苔です。大きくなれば、ボリュームのある姿になり大きな印象にもなります。

しかし光が少ない場合や乾燥が続くと、匂いがすることがしばしばあります。

セイタカスギゴケ

高さのある苔で、半日陰で育てるとよいでしょう。テラリウムの苔に高さを出して強弱を付けたい際に、非常に使い勝手のある苔です。

しかし乾燥には非常に弱いので、乾燥させないように注意します。

イワダレゴケ

生長が比較的ゆっくりで、日陰で育つ苔となります。独特の形と質をした苔なので、グランドカバーの役割をしつつ、ユニークなテラリウムにもなるでしょう。

ハイゴケ

生長が早く、乾燥にも強い苔です。半日陰で育ち、シダのような姿をしていますが、背丈が低くて幅が広い苔となります。グランドカバーの役割を果たすので、地表を隠す際に使える苔です。

ホソバオキナゴケ

生長がゆっくりで半日陰や日陰で育ちます。高さも低くグランドカバーな役割を果たすでしょう。またドーム型のまとまった形を形成するので、日本庭園のような雰囲気が作れます。

テラリウムに使う苔の調達方法

苔はテラリウム専門のお店や、アクアリウムのお店で購入ができます。下処理がされた清潔な苔が手に入るので、虫やゴミなどの心配がありません。

しかし自分でも採取した苔でも問題はありませんが、苔テラリウムを作る前に、余分な古くなった根のカットやゴミの処理、一晩水に沈めて中の虫を除去する下処理をする必要があります。

水につけることで、中の虫が窒息し除去できますが、漬け過ぎると、苔が腐敗し悪臭を放つので、漬け過ぎには注意してください。

苔のテラリウムの日常管理のポイント

大事な苔が色あせや枯れないように、苔テラリウムにはいくつかの日常の管理が大事です。毎日のケアは必要がありませんが、ときどきはよく観察して苔の状態を見る必要があるでしょう。

ここでは苔テラリウムの日常管理について解説します。

苔テラリウムは霧吹きが大事

苔は湿った環境を好みます。しかし実は乾燥に強く、ある程度は水分がなくても生き延びます。

しかし高温には弱い生物なので、高温多湿な環境にならないように霧吹きをかけて温度を下げる必要があります。

蓋をあけて風通しをよくする

常に密閉された環境ですと、高温にもなりやすく風通しも悪いです。また何かの拍子でカビ菌が侵入しカビが繁殖する恐れもあるので、風通しはよくし涼しい環境を作ることを心がけてください。

苔をトリミング

苔は光や水分を求めて生長します。気づかないうちに徒長して長くなりすぎている場合もあるでしょう。景観が崩れないようにハサミでカットして、トリミングするとよいです。

まとめ

苔テラリウムとはテラリウムとまた違った小さな空間を生み出す箱庭です。苔も観葉植物のように生長し、わくわくさせるような姿を見せてくれます。

苔を自分の手元に置き、苔の癒しに触れてみませんか?

自分だけのオリジナルの苔テラリウムを作ることで、愛着も湧き、より楽しく癒しのある生活になるので、ぜひ自分だけの苔テラリウムを作ってみましょう。