青虫(アオムシ)の駆除・予防方法【被害にあいやすい植物や生態・発生時期も解説】

青虫(アオムシ)は美しいモンシロチョウの幼虫であり、また絵本のモデルにもなっていることから子どもから大人まで馴染みのある虫です。

ただ、野菜や花を育てている時には出来るだけ出会いたくない虫のひとつでもあります。

成長するとどんどん体が大きくなる青虫(アオムシ)の食欲は、あっという間に葉を穴だらけにしてしまうほど被害が深刻だからです……。

そこで今回は青虫(アオムシ)の生態から知っておきたい被害にあいやすい植物、そして駆除から予防方法まで紹介します。

青虫(アオムシ)とは

青虫(アオムシ)はまだ小さいうちは被害も小さくかわいいですが、成長と共に体長は3~4㎝ほどになり植物への被害は大きくなります。

青虫(アオムシ)の植物への被害とは

青虫(アオムシ)は主に葉を食害します。驚くべきは青虫(アオムシ)の食欲。

一日に体重の数十倍もの野菜の葉を食べつくし、最後には葉が葉脈以外食べつくされボロボロになるなんてことも。

更に被害がすすむと、葉脈以外植物全体が食害されてしまいます。

また食害されることによって、植物の葉の光合成の効率が落ち生育も悪くなってしまうのです。

  • 植物の葉が穴があくように食害されている
  • 葉の上に濃い緑色の小さい糞がある
  • 被害を受けている植物は主にアブラナ科である

上記のケースでは青虫(アオムシ)が潜んでいる可能性が高いでしょう。

青虫(アオムシ)の発生原因

大切に育てている作物の畑は青虫(アオムシ)をはじめ、食害する害虫にとっては格好の餌食です。

青虫(アオムシ)は特にアブラナ科の植物に発生します。

アブラナ科の植物を植えている場合は青虫(アオムシ)の発生に注意が必要です。

それはアブラナ科の植物が含む「カラシ油成分」という苦味成分の香りに誘われてモンシロチョウが飛来し卵を産み付けていくためです。

そして卵から孵化した青虫(アオムシ)もアブラナ科の植物を好んで食害します。

青虫(アオムシ)の生態

青虫(アオムシ)とはチョウ目と呼ばれる幼虫の中で、体に長い毛がなく体が緑色のもののことを総称している呼び名です。

特定の種類をさすものではなく、代表的なモンシロチョウやその他にスジグロシロチョウなどの幼虫が青虫(アオムシ)と呼ばれます。

ただ、家庭菜園などで問題となる青虫(アオムシ)は、モンシロチョウの幼虫である青虫(アオムシ)であることがほとんどです。

青虫(アオムシ)の発生時期

青虫(アオムシ)は主に4~6月と9~11月頃に発生します。

青虫(アオムシ)などの成虫であるモンシロチョウは3月後半~11月頃に日本全国で見られます。

蛹から成虫となったモンシロチョウは約1ヵ月~2ヵ月の寿命の中で植物の葉に産卵します。

卵は1週間程度で孵化し青虫(アオムシ)が発生するのです。 

その中でもモンシロチョウの産卵は春から初夏にかけてが最も多いです。

真夏に少なくなりますが秋頃に再び増えるため、年に2回青虫(アオムシ)が多く発生します。

青虫(アオムシ)は脱皮を繰り返し成長する

葉に産み付けられ卵から孵った青虫(アオムシ)は最初は淡い黄色をしており、葉を食べることでどんどん緑色の体になっていきます。

最初は3~5mm程度の大きさだった青虫(アオムシ)も、たくさんの葉を食べながら4回の脱皮を繰り返します。

終齢幼虫となる頃には体長は約3~4㎝ほどに成長するのです。

終齢幼虫となった青虫(アオムシ)は蛹になる準備をします。

野菜の茎や枝に体を固定し暖かい時期であれば一週間程度で蛹から成虫となります。

寒い時期に蛹となった場合は、蛹のまま越冬し暖かくなるのを待ちます。

青虫(アオムシ)が好む植物

青虫(アオムシ)が好物とする植物は主にアブラナ科の植物です。

アブラナ科の植物とは、キャベツ、ダイコン、ブロッコリー、カリフラワー、カブ、菜の花、小松菜などがあげられます。

その中でも特にキャベツは大好物であり、被害にあいやすいため注意しましょう。

その他にもバジルや花なども青虫(アオムシ)の被害にあうことがあります。

青虫(アオムシ)が発生しやすい時期はアブラナ科以外でも被害がないか植物を観察してみましょう。

青虫(アオムシ)の駆除方法

青虫(アオムシ)の発生時期の中でも特に5~6月、9月頃に被害が大きくなる傾向にあります。

青虫(アオムシ)を見つけたら、被害が広がる前にできるだけ早く駆除することが大切です。

食害をするのは幼虫である青虫(アオムシ)だけですが、成虫であるモンシロチョウなども卵を産み付けます。

そのためモンシロチョウなども、植物を育てるにあたっては注意が必要な存在です。

青虫(アオムシ)は緑色のため、一見見つけにくく注意して探す必要があります。駆除方法は主に捕殺か殺虫剤を使用するかの2つです。

葉裏などを確認して捕殺する

葉裏に卵や青虫(アオムシ)がいることが多いため、葉裏をこまめに確認し見つけ次第、手で捕殺しましょう。

その他にも葉の表面に青虫(アオムシ)の糞がある場合や、近くにモンシロチョウが飛んでいる場合なども注意が必要です。

青虫(アオムシ)が潜んでいる可能性が高いので注意深く探しましょう。

殺虫剤を使用し駆除する

青虫(アオムシ)は成長するにつれて被害も大きくなり、殺虫剤が効きにくくなるります。

できるだけ被害の小さい段階で使用した方がいいでしょう。

殺虫剤の種類として浸透移行性があり葉裏など殺虫剤が散布できない場所でも効果が得られる「オルトラン」が効果的です。

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他には、即効性の効果がある「マラソン乳剤」などがあります。

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その他にそのまま散布できるアースガーデンなどさまざまな種類の殺虫剤があります。

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収穫の何日前まで使用できるのか作物によって異なるので、殺虫剤を使用する際は容量や適応作物などよく確認しましょう。

青虫(アオムシ)の予防方法

青虫(アオムシ)の予防方法としては、成虫であるモンシロチョウなどが飛来して卵を産み付けられないように対策することが大切です。

おすすめの予防方法は以下の3つです。

寒冷紗など防虫ネットを使用して予防する

寒冷紗(かんれいしゃ)とは粗く平織に織り込んだ布のことであり、作物に布をかけることで虫の飛来を予防することができます。

寒冷紗や防虫ネットを使用することで、青虫(アオムシ)以外の害虫の予防にもなります。

また霜よけなどの防寒対策や、夏の暑い日差しを避ける役割もあり簡単で効果的な方法です。

ただし隙間があると虫が入り込んだり、植物の手入れのためにはずしていると虫が入り込む可能性もあるので注意しましょう。

木酢液スプレーをまいて予防する

木酢液とは、隅の製造過程で発生する水蒸気を冷やして液体にしたものです。

天然物であり、規定量に希釈してから植物に散布することで安全に青虫(アオムシ)や成虫を予防することができます。

また植物自体の代謝をあげて成長促進する効果もあります。

注意する点としては木酢液を散布する際は、水やり後を避け葉が乾いている状態の時にしましょう。

セリ科などのコンパニオンプランツを一緒に植える

青虫(アオムシ)の好むアブラナ科の植物を育てるときにセリ科や春菊などのキク科の植物を一緒に植えることで予防できます。

またコンパニオンプランツは農薬を使わずに害虫を予防しながらお互い成長を促進する効果もあります。

青虫(アオムシ)以外でも害虫が気になる際は、植物と相性のいいコンパニオンプランツを植えてみることもおすすめです。

まとめ

青虫(アオムシ)はモンシロチョウなどの幼虫の総称であり、主にアブラナ科の植物を好んで食害します。

成長するにつれて青虫(アオムシ)は食欲旺盛となり、被害を受けた植物は成長が遅れたり最悪な場合は枯れてしまうこともあります。

そのため、見つけ次第駆除することが大切です。

青虫の駆除で殺虫剤を使用する際は適応作物や容量をしっかり確認してから使用しましょう。

美しいモンシロチョウなども卵を産み付け青虫(アオムシ)の発生原因となりますので、作物を育てる場合は注意が必要です。

収穫する作物を安心して育てるためにも、予防策をしっかりとって青虫(アオムシ)対策をしたいですね。