
デンドロビウムの植え替えは、他の植物と違って植え込み材料に水苔を使うなど慣れない点が多いです。また鉢の中の状態がわかりにくく、鉢から出してみてやっと、根がいっぱいな状態だと気づきました。
この記事では、デンドロビウムの植え替えのコツと、植え替えに使用したグッズなどを写真付きで紹介します。
デンドロビウムの植え替えが必要な理由は?

デンドロビウムは、鉢内にスペースがある場合、植え替えの必要はありません。根がいっぱいになり、底からも根が出るようになってきたら植え替えをしましょう。
今回は、植え替え前の鉢がプラスチックの鉢でした。プラスチックの鉢は軽いのですぐに転倒してしまい、鉢も傷だらけです。デンドロビウムにとっても良い状態ではないので、今回植え替えをおこなうことにしました。
デンドロビウムの植え替えに適した季節
デンドロビウムは通常、花が咲き終わった春に植え替えをおこないます。4月から6月頃が最適です。
秋から冬にかけては休眠の時期になります。この時期に植え替えをしてしまうと、根が動かず根が傷んでしまい根腐れを起こしてしまいますので、控えた方が良いでしょう。
デンドロビウムの植え替えで今回用意したグッズを紹介
デンドロビウムの植え替えに使った道具を紹介します。
- 水苔
- 鉢
- 鉢底ネット
- 発泡スチロール
- カッターナイフ
- シート
- 剪定ばさみ
- ライター
それぞれの用途を説明します。
水苔
水苔は園芸用としてホームセンターなどで販売されています。乾燥状態で販売されており、使う前に水につけて湿らせてから、絞って使います。また、デンドロビウムは水苔のほか、ヤシガラで植えることもできます。
鉢
保水力のある水苔で植える場合は、素焼きの鉢を使用します。素焼きの鉢は乾きやすくて、水苔との組み合わせで使われます。
乾燥しやすいヤシガラで植える場合は、陶器鉢かプラスチック鉢を使用します。
鉢底ネット
鉢底ネットを敷くことにより、鉢底穴から害虫が侵入するを防ぎます。専用のものも販売されていますが、古くなった網戸などで代用することもできます。
発泡スチロール
水はけを良くするために発泡スチロールを鉢底へ敷きます。軽石などでも良いですが、緩衝材に使われる発泡スチロールを砕いても良いでしょう。
カッターナイフ
今回、根が鉢にくっついてしまうほど、隙間なく根が張っていました。鉢をカットすることも考えましたが、カッターを根と鉢の隙間に入れて取り出すのに使いました。
シート
室内で作業をおこなう場合は、床にシートを敷くと汚れが気になりません。
剪定ばさみ
根を整理するために、剪定ばさみを使用しました。
ライター
剪定ばさみやカッターを消毒するために、ライターを使いました。
デンドロビウムの植え替え手順
デンドロビウムを植え替える手順はこちら。
- 水苔を水で戻します
- 鉢を選びます
- 鉢から取り出します
- 剪定ばさみを消毒します
- 根を整理します
- 発泡スチロールを砕いて鉢底に敷きます
- 根を水苔で巻きます
- 鉢にデンドロビウムを入れます
一つ一つみていきます。
①水苔を水で戻します。
乾燥状態の水苔は、水を含むのに時間がかかります。まずは水苔を水に浸しましょう。前日から水に浸しておくのも良いですね。
②鉢を選びます。
今回は植え込み材料として水苔を使いました。デンドロビウムは過湿を苦手とする植物です。保水力のある水苔を使う場合は、乾きやすい素焼きの鉢を組み合わせるのがコツです。
鉢の大きさも、過湿にならないよう小さめを選びましょう。今回は真ん中の鉢を選びました。
➂鉢から取り出します。
デンドロビウムを鉢から取り出します。
根が鉢にくっついているようで、なかなか取り出せません。鉢の内側にびっしりと根が張っていますので、カッターを鉢の内側へ入れてみることにしました。
デンドロビウムを鉢から出したところの様子です。
根が鉢いっぱいに詰まっていました。こんなに根が回っているとは思っていませんでした。
④剪定ばさみを消毒します。
剪定ばさみをライターであぶって消毒します。刃がもろくなってしまいますので、長く使いたい大事な剪定ばさみには、専用の刃物クリーナを使用するのがおすすめです。
⑤根を整理します。
根が詰まりすぎていて、上手く分けることができません。強硬策を取り、ハサミで切って分断しました。株分けをおこなう時には、1つの株に3バルブ以上が残るように株分けします。
植え替えを始める前は、株分けをして、複数の鉢へ植え付けたいと考えていました。
このように3つに株分けしたのですが、鉢が大きすぎると過湿になってしまいますね。そこで悩んだ末、今回の鉢に3株を一緒に、元のように植え付けることにしました。
⑥発泡スチロールを砕いて鉢底に敷きます。
鉢底穴に鉢底ネットを敷きます。そして発泡スチロールを砕いて鉢底に敷きました。
過湿にならないよう植えつける高さを確認しながら、発泡スチロールの量を決めます。
⑦根を水苔で巻きます。
発泡スチロールを株の大きさ位に砕き、水苔を巻きます。ボール状になった水苔を株の下に当てて、根を水苔で巻きます。
⑧鉢にデンドロビウムを入れます。
デンドロビウムは、深植えになりすぎないように植え付けるのがコツです。隙間にも、絞った水苔を入れて抜けないよう固定します。
デンドロビウムの植え替え完了!管理について

デンドロビウムの植え替えが完了しました。今回一番悩んだ点は鉢選びです。デンドロビウムは、とにかく過湿にならないよう育てる必要があります。
鉢が大きすぎると、乾燥までに時間がかかり、根腐れの原因になってしまいます。通常、ひと回り大きい鉢に植え替えしますが、デンドロビウムの場合はそのままの鉢に植え替えても良いです。
今回初めて植え替えをおこないましたが、根腐れにならないかが心配です。水やりは表面が乾いてからで十分です。冬場は特に休眠期でもありますので、ほとんど水やりの必要がありません。完全に乾燥してカサカサになった頃に水やりをしたいと思います。
このデンドロビウムは、バルブを茎挿しにして大きくしたものです。成長が楽しみで、これからも元気に育って欲しいです。