部屋に小さな自然をまとめあげたテラリウムは、私たちに癒しや和みを感じさせてくれる箱庭です。一度は自分でも作ってみたいと思えるかわいい世界観ではないでしょうか。
今回はテラリウムとは何か知らない方や、テラリウムを作ってみたい初心者の方に、おしゃれなテラリウムの作り方とそのコツを解説します!
テラリウムとは
テラリウムとはガラス瓶や水槽などの透明なガラスコンテナの中に、陸上生物の自然を詰め込んだ箱庭であり園芸技法の1つです。
18世紀のイギリスで始まったとされ、もともとは植物採取のために海外から持ち帰った植物を、長期の船旅でも長く保たせるために使用されたものとなります。
テラリウムには密閉型だけではなく、フタがない開放型のものもテラリウムと呼ぶのです。
テラリウムの仕組みと魅力
仕組み
テラリウムは容器を密閉することで、水の循環システムが生まれ1つの小さな温室グリーンハウスを造り上げるのです。太陽の光で容器の中の水は蒸発し、容器の内側に結露します。
そのまま容器の壁を辿って地面へと染み込み、植物がそれを吸い上げ、光合成と共に水を放出するのです。小さな箱の中で1つのサイクルが生まれ植物が住める環境を作り上げています。
魅力
小さな自然を手軽に室内に持ち込め、ナチュラルかつおしゃれな部屋の雰囲気を生み出すのがテラリウムの最大の魅力でしょう。
また自分でオリジナルのテラリウムを作ると、自分の好きな植物のほか、好きな装飾品を置いてレイアウトできることが手作りテラリウムの良さです。
テラリウムの種類
テラリウムにはそれぞれ設置方法があり、自分の部屋のインテリアや雰囲気にあったものを選べます。
ご自身の自宅や部屋の雰囲気にあった、テラリウムを選ぶことが大事ですので、作成する場合もガラスコンテナや植物を入れる容器をよく検討してみるとよいでしょう。
置き型
テラリウムのスタンダートといえるべき設置方法です。
また、さまざまに工夫することができ、石やブロック、木材など重い飾りも入れることができるので、自分の思った通りのデザインやレイアウトがしやすいタイプとなります。
ハンギング型
テラリウムを天井や壁などから吊す設置方法です。床から浮かせるので場所も取らないことが利点ですが、比較的重くならないようにできるだけ小さい容器でまとめることが多いでしょう。
その分デザイン、レイアウトも限られます。
壁掛け型
写真フレームや壁にかけられるようなガラスケースを使ったテラリウムの設置方法です。スタイリッシュで印象あるテラリウムで、邪魔にもならないインテリアになるでしょう。
しかし壁にかけられるような工夫や、限りあるスペースで作品を作る必要があります。
アクアテラリウム型
テラリウムと水性動植物のアクアリウムを一緒にした箱庭です。再現方法もより豊かで、リアルな質感を作ることができるでしょう。
その分比較的大きな容器になり、スペースが必要になるほか、設備投資などのコストも多くかかるといえます。
テラリウムに向いている植物たちと気をつけたいこと
テラリウムは限られた小さなスペースで自然を再現させるようなインテリアです。その分テラリウムに向き不向きの植物もあります。
またテラリウムは癒しのあるインテリアでもありますが、欠点もあるのでテラリウムを選ぶ前、作る前に把握もしましょう。
テラリウムを開放型か密閉型のどちらかを選ぶ
テラリウムには密閉型と開放型の2つがあります。口が常に空いていると風通しもよく、カビや藻が生える心配がないうえに、高温多湿にもならずに済みます。
しかし乾燥しがちな環境であり、逆に水を多く与えすぎると、底に穴がないので常に土が湿っている状態をつくる可能性があります。
密閉型の場合ですと常に一定の湿度で、温度も暖かい環境を保ちやすいです。しかし高温多湿になる恐れが高く、最悪植物が枯れる場合があることが欠点でしょう。
開放型のテラリウム向いた植物
開放型のテラリウムには、できるだけ乾燥に強い温帯な植物を選ぶことがよいです。サボテンを始め、多肉植物やエアプランツなどが開放型のテラリウムにはおすすめでしょう。
多肉質な植物たちは、比較的太陽の光を直接あたることが好きなので、日当たりのよい明るい場所に設置するとよいです。砂漠などの乾燥した場所をイメージして選ぶこともポイントとなります。
密閉型のテラリウムに向いた植物
密閉型のテラリウムは、耐陰性があって、多湿を好むような植物を選ぶことがよいです。シダや苔、ランを始め、熱帯植物が密閉された環境に非常に向いているといえます。
それ以外にも、観葉植物の王道なポトスやプミラ、ヒポエステ、アスパラガスなどさまざまな植物がテラリウムに向いているでしょう。
多彩な植物を選びやすいので、色の発色や模様だけではなく、つる性などの植物も選んで作ってみましょう。
基本的なテラリウムの作り方・必要な道具や容器
自分が選んだ容器や植物以外に、箸やピンセット、ハサミ、スプーンを用意するとよいです。必要な材料は、テラリウムの底から上に向かって材料を考えてみると分かりやすいでしょう。
最初に底に敷くための石や砂利、次に土が底に流れないよう防ぐためのピートモス、最後に土壌で培養土が必要になります。
またオプションで、匂いや毒素を吸収する活性炭や根腐れ防止材のゼオライトなどを用意するとよいです。
苔を使ったテラリウムの作り方・必要な道具や容器
苔を使ったテラリウムを作る場合は、基本的なテラリウムと同じで全く問題ありません。基本をベースにして作成してください。
初心者でもおしゃれなテラリウムを作るコツ
テラリウム作り①排水レイヤーを作る
テラリウムの底には穴があいていません。土を直接底に敷いてしまうと、水を与えた後に常に土が湿った状態であり、根が呼吸できずに根腐れを起こす原因となります。
根腐れを防止し環境を整えるために初めに石や砂利を敷くのです。その上には、オプションですが、活性炭を敷くと匂いも気にならないテラリウムを作れます。
テラリウム作り②土壌レイヤーを作る
底石や活性炭を敷いた上に土を敷きたいところですが、その前にピートモスを敷くことをおすすめします。
そうすることによって、水やりをした後に土が下に流れるのを防ぎ、テラリウムの構造を壊さずに済むので、ぜひピートモスを敷いてください。
その上には、培養土を敷きますが、一緒にゼオライトなどの根腐れ防止材も混ぜ入れるのもよいでしょう。
テラリウム作り③装飾と植栽をする
テラリウムの排水や土壌が完成した後は、装飾や植栽となります。
初めに大きくて重そうな、石やブロック、他にもレンガや流木などを装飾するのであれば、植物を植栽する前に全てセットするとよいです。
小さなフィギュアや小石を置く場合は、植栽の後に行います。装飾のセットが全て完了した後は、ピンセットや箸を使って植栽しますが、根を優しく傷つけずに植え付けましょう。
テラリウムをおしゃれにするコツ
テラリウムをただ作るだけではおしゃれになるとは限りません。
飾り付けをするだけでも、多少の視覚効果は得られますが、しっかりとした計画と技法を使うことで、あなたのテラリウムはさらに美しさに磨きがかかり、おしゃれなテラリウムとなるでしょう。
おしゃれテラリウム作りのコツ①レイヤーを美しく
これまでテラリウムのレイヤーを紹介しましたが、このレイヤーを作る際に2つ意識することがあります。
それはレイヤーがほかの材と混ざらないようにすることと、レイヤーをきれいに平らに均すことです。容器は透明なのでどうしても土壌が見えてしまいます。
それを逆におしゃれに見せるためにスプーンやコテを使って平らに均すことで、美しい見栄えとなるでしょう。
おしゃれテラリウム作りのコツ②植物同士の高さを揃える
植物を配置する際は、植物同士の高さを調節することも大事です。植物はそれぞれ高さが異なるので、それぞれの配置する箇所を決めます。
背丈の高いものは容器の中心または奥、背丈の低いものは手前などと配置しますが、これは容器や見える角度によって、調節する必要があるでしょう。
おしゃれテラリウム作りのコツ③作りたい表現をイメージして飾り付け
容器のサイズや形状によらず、自分がテラリウムの世界観をどのようにしたいかをイメージしながら作ると作りたいものが作れ、よりおしゃれな見た目となるでしょう。
レイヤーは常に平らの必要はなく、自分が表現したい地形や場所を作り、装飾するものも、そのデザインにあったものを選ぶことがおしゃれにするコツといえます。
テラリウムの作り方を学べるワークショップの例
Buriki nô Zyôrô
観葉植物や苔玉を始め、植物とインテリアを提案してくれるおすすめの場所となります。さまざまなライフスタイルにあったものも選べ、テラリウムも自由にナチュラルでおしゃれなものを作れるでしょう。
- 住所:東京都目黒区自由が丘3-6-15
- アクセス:東急東横線・大井町線『自由が丘』駅(正面口) 徒歩8分
- 問い合わせ:https://www.buriki.jp/
- 営業時間:10時00分〜19時00分/定休日:不定期
苔むすび
鎌倉の古民家を改装した、落ち着きあるワークショップです。雰囲気のある室内で、主に苔テラリウムやユニークな飾り付けをしたポップで癒しのあるテラリウムが作れるでしょう。
- 住所:神奈川県鎌倉市由比ヶ浜2-4-22
- アクセス:JR・江ノ島電鉄『鎌倉』駅 徒歩7分
- 問い合わせ:https://kokemusubi.com/
- 営業時間:13時00分〜17時00分/定休日:火・金曜日
まとめ
テラリウムとは自分が想像した通りに作れ、それを室内に置くことで雰囲気のある空間を生み出します。
容器の大きさや形状、配置の仕方、またデザインのレイアウトは自由自在ですので、初心者の方でもテラリウムは作れるのです。
しっかりとしたテラリウムのシステムを作ることで、植物を枯らさずに育てられます。ぜひこの機会にあなただけのオリジナルのテラリウムを作りましょう。